Todos los capítulos de 妹プロ ifストーリー柚希END: Capítulo 11 - Capítulo 20

51 Capítulos

その11

 校門を出てしばらく歩いていると「そういえば柚希ちゃんはアニメとか見るの?」 と藪から棒に聞いてきた。 しかも内容がアニメだなんて……。「どうしたんですか急に」「柚希ちゃんと二人きりになるなんてあまりないから、色々知りたいな~って思って」「まぁ、二人きりは今まで無かったですね。でも話題のチョイスがおかしくないですか?」「え~、じゃあ柚希ちゃんはアニメ観ないの?」「私は観ないですね。アニメの話がしたいなら、その辺のヲタクと話せばいいじゃないですか!」 あまりのズレた話題の所為で少し語気が強くなってしまった。 そんな私とは反対に新島先輩は更にテンションが上がっている。 もうこの人がよく分からない。「そう! それなんだよ!」「え? 何がですか?」「柚希ちゃんは皆から慕われたいんだよね?」「……まぁ」「だったらヲタクと言われる人にも接点持たないと!」「でも、接点持ってメリットありますか?」「あるよ~、ヲタクもリア充も分け隔てなく接すればおのずと周りの評価も上がるしね」「……確かにそうですけど」「それに、友也くんだってヲタクだった訳なんだし、アニメ観てるリア充は結構居ると思うな~」「……」 新島先輩の言う通り、最近ではリア充でもアニメを観てる人は結構居る。 言っている事は学校一のアイドルを目指すなら何も間違ってはいない。 だけど、どうしても私にはアニメが肌に合わない。 お兄ちゃんとの接点を作ろうと一度だけ観た事があるけど、私には何が面白いのか理解できなかった。「新島先輩の言う通りだと思うんですが、アニメは肌に合わないんですよね」「そっか~。なら、漫画やラノベを読んでみたらどうかな?」「ラノベですか?」「知らない? ライトノベルって言うんだけど、今のアニメって大体がラノベ原作だから、ラノベを読
last updateÚltima actualización : 2026-08-12
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その12

 『俺と……付き合ってくれ!』  『……ずっとその言葉を待ってました』  『それじゃあ……』  『はい、よろしくお願いします』 ~~♪ ~~♪ ~~♪ ~~♪  「うぅ……よかったぁ……2人が結ばれて……」 「どうだ? 満足したか?」 「ううん……もっかい観る……」 「まだ観るのかよ!」 「え~でもこれすっごい面白かったよ!? ね~ね~せっかくだからもっと観ようよ! 期末テストも終わったんだしさ」 「だからって俺の部屋で観ることないだろ!」 「だってお兄ちゃんと一緒に観たいんだもん」 今私はお兄ちゃんの部屋でアニメを観ている。  新島先輩から教えてもらったオススメ作品だ。 テストを終えて家に帰る途中で、早速新島先輩が教えてくれた幾つかの作品を借りてきた。  その中から時間の短い劇場版を一つ手に取り、お兄ちゃんの部屋へ押しかけた。   「はぁ……でも驚いたよ。アニメ観ようだなんて突然言い出すんだもんな」 「最近あまり喋ってなかったから、お兄ちゃんが寂しがってると思ってさ」 と言いつつも、気まずいままでいたくなかったというのが本音だ。  テストが終わるまでは勉強に集中していたけど、何か切っ掛けがあればと考えていた。  その矢先に、新島先輩からアニメの話を聞かされ今に至る。「べ、別に寂しくなんてなかったけど」 「あっ! 今のってツンデレっていうんでしょ? さっきのヒロインみたいに」 「おぉ、ちゃんと観てたんだな。それにしても柚希がアニメを観るなんて思わなかったな」 「分かってないなぁお兄ちゃん! 今はリア充でもアニメを観る時代なんだよ!」 「そ、そうなのかぁ」  アニメだなんて馬鹿にしてたけど、いざ観始めると感動している自分がいた。  これからもちょっとづつ観ていこうかな。  だけど、今の私にとってはお兄ちゃんとの接点を得る一つの手段に過ぎない。 私だってアピールして行くんだから!
last updateÚltima actualización : 2026-08-14
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その13

「ふぅ、御馳走さま。今日も美味しかったよ」「お粗末様」 昨日と同じように私が食器を洗っていると、お兄ちゃんが冷蔵庫を覗いていた。「食材これしか残ってないのか。明日俺が買ってくるよ」「いいよ、私が買ってくるから」「でも重いだろ。何買ってくればいいか教えてくれれば大丈夫だから」「そう? じゃあ、鳥と豚のひき肉と、キャベツ・レタス・バルサミコ酢……」「……やっぱ二人で行こうか。荷物持ちは任せてくれ」 結局二人で買い物に行く事になった。 次の日の夕方、私とお兄ちゃんはスーパーに向かって並んで歩いている。「こうして二人で買い物するのも久しぶりだね」「……そうだな」「どうしたの? 浮かない顔して」「あの時みたいに知り合いに見られたらどうしようと思って……」 私がまだ中学の頃、二人で買い出しに行った事があった。 その時にギャルグループの柏木奈々に目撃された事が切っ掛けで私達が兄妹という事がバレた。 きっとお兄ちゃんはまだその事を気にしているのだろう。「大丈夫だよ。あんな偶然そうそう起きないって」「そ、そうかなぁ」「それに、今のお兄ちゃんなら見て貰いたい位だよ」 と笑顔で答える。 するとお兄ちゃんも「そうだよな。俺ももう少し自信持たなきゃな」 安心した表情で優しく笑い返してくる。  スーパーに着き、お兄ちゃんはカートを押し、私は食材を品定めする。 精肉コーナーに差しかかた時に、醤油を切らしている事を思い出した。「そういえばお醤油も買わなきゃ」「だったら俺が取ってくるよ」「大丈夫? ソースと間違わない?」「幾らなんでもそれは分かるって」「じゃあお願い」「了解」 と言ってお兄ちゃんは私にカートを預け、何故か惣菜
last updateÚltima actualización : 2026-08-15
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その14

 何事も無く数日が経ち、終業式当日を迎えた。 明日はお父さんたちが帰って来る日だ。 この一週間の事を思うと少し残念な気がするがしょうがない。  終業式が終わり、部活へ行く準備をしていると、珍しくお兄ちゃんからLINEが来た。 確認すると 〈今日は外食しないか?〉 という内容だった。 〈もう今夜の献立決めてあるんだけど〉 と返して、一緒に怒っているクマのスタンプも送る。 〈いや、最終日くらい外食したいなーって思って〉 〈外食っていっても何処行くの? ジョ〇サン?〉 〈まぁ、そんな所かな〉 〈しょうがないな~、今日は外食でいいよ〉 〈サンキュー、予約しとくよ〉  まぁ、ここまで節約してきたから一日位いいだろう。 スマホを仕舞い、私は部活に向かった。  部活から帰ると、お兄ちゃんが少しオシャレしていた。「何でそんな恰好してるの?」「いや、外食するから少しくらいはと思って」「そんなに楽しみだったの?」「まぁまぁ、そんな事いいから早く準備しろよ」 少し引っかかったけど、私は手早くシャワーを浴びる。 部屋に戻り、髪を乾かしながら考える。  ……これってもしかしてデート? いやいや、デートでジ〇ナサンは無いでしょ。 だけど一応、お兄ちゃんに合わせて少しオシャレしようかな。 準備を終え、戸締りを確認し、家を出るとタクシーが停まっていた。「え? なにこのタクシー」「俺が呼んだ」「はぁ? そんな余分なお金無いよ!」「心配するな。タクシー代は俺が払うから」 そう言うお兄ちゃんに半ば無理やりタクシーに押し込まれる。 走る車内から外を見てると、駅とは反対方向に向かっている。 一体どこのジョナ〇ンまで行くんだろう。 そう考えている内に目的地に着い
last updateÚltima actualización : 2026-08-16
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その15

 一通り食べ終え、談笑していると店員さんが「失礼します。食後のデザートをお持ちしました」 と、デザート皿を2つテーブルに置いた。「あの、デザートは頼んでないんですが」「いえ、こちらはカップル限定のサービスでして」「え? いや俺たちそんなんじゃ――」「わぁ~素敵! ありがとうございます!」「お、おい柚希」「せっかく私たちの為に用意して下さったんだから。ね、お姉さん」 困惑するお兄ちゃんを後目(しりめ)にお姉さんに微笑みかける。 すると店員さんも満面の笑みで「はい。彼氏さんも是非!」 とお兄ちゃんにデザートを勧める。「い、いやだから――」「さ、友也。溶ける前に食べよ! お姉さん、ありがとうございます」「ごゆっくりどうぞ」 そう言ってお姉さんは立ち去る。「おい、どういうつもりだ? 俺たちがカップルって」「タダでデザート貰えたんだしいいじゃん」「そりゃそうだけどさ」「だったらいいでしょ。ほら、アイス溶けちゃうよ?」 私がそう言うと漸くお兄ちゃんも食べ始めた。「美味しいね。友也」「それやめろって」「あはは。でも店員のお姉さん、私たちが本当のカップルだと思ってたみたいだね」 「どっからどう見ても兄妹なのにな。って何だこのスプーンは」「ほら、あーん」「しねぇよ!」「いいから! あーん」「……あーん」「美味しい?」「……あぁ」「ふふ、よかった」  食事を終え、時間も頃合いになったところでお会計を済ます。 名残惜しさを感じながら、お店の外に出る。 はぁ。今日はいい思い出が出来たなぁ。 もう少し、この余韻に浸っていたいな……「ちょっと待っててくれ。今タクシー呼ぶから」「いいよ。歩いて
last updateÚltima actualización : 2026-08-17
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その16

 夏休み初日の土曜日の朝、いつもより早く家を出る。 今日は高校テニス関東地区大会の日だ。「ゆず~おはよ!」「おはよう、めぐ。相変わらず朝から元気だね」  めぐと軽く談笑していると新島先輩がやってきた。 「先輩、おはようございます」 「おはよう、柚希ちゃん。今日はお互い頑張りましょうね」「はい」 電車とバスを乗り継ぎ約1時間。 バスから降りると試合会場が遠方に見えた。  会場までの一本道はテニス関係者だけで埋め尽くされていた。 テニスコートの一角を陣取りウォームアップをする。 その後、短い開会式を終えると早速各コートで試合が始まった。 出番まで観戦とウォームアップに時間を費やす。 陽が高くなるにつれて応援に来た観客も徐々に増えてきた。「おーい柚希ー!」  呼ばれた方を見ると私服姿のお兄ちゃんと水樹先輩が手を振っていた。「応援に来てくれたんだ。ありがと♪」「気にするな。って言っても午後から予定があるから一試合しか応援できないけど」 ベンチの端っこで会話をしていると、新島先輩もやってきた。「水樹まで居るなんて思わなかったわ」「まぁ、散歩のついでに顔見に来ただけだよ」 ちょっとした皮肉の言い合いも二人の仲の良さを表している。 新島先輩も少しリラックスしてるようだ。「ところで2人の出番は何時からなんだ?」「えっと、あと30分くらいかな」「そっか。じゃあ俺と水樹はあっちの観覧席で応援してるから」 お兄ちゃん達と別れ、ラケットバッグを抱えてコートに入る。 白井先生と軽く打ち合わせをする。「相手は常勝校の花菱徳丸だ。だけどお前たちならきっと勝てる。行ってこい!」「「はい!」」 いよいよ試合が始まった。 序盤から相手の猛攻に苦しんだが何とか食らいつく。 試合は思いのほか接戦だった。 
last updateÚltima actualización : 2026-08-18
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その17

 夏休みに入り3日目の夜、いつも通り私の部屋で会議をしている。 そう! いつもの会議なんだ。 お兄ちゃんと食事に行ってから会議の時は少しオシャレしたり、お兄ちゃんの分の飲み物を用意したりしてるけど、いつもの会議だ。 別に意識してほしいとかじゃないけど、少し位は褒めてくれたっていいのに!「へ~、今日は唐揚げ食べたんだ?」「ああ、結構美味しかったな」「私の作った唐揚げとどっちが美味しかった?」 夏休み初日からお兄ちゃんは新島先輩が言った通り、水瀬先輩のアプローチを受けている。 初日にお兄ちゃんの言動が怪しかったので追求すると、キスを迫られおでこにキスをしたと吐いた。 あの動揺っぷりだとそれだけじゃないだろうとは思ったけど、それ以上は追求しないでおいた。 水瀬先輩のプライバシーもあるし、何よりそれ以上訊くのが怖かったから。 もし、大人の階段を登っていたら……なんて事を考えてしまった。 そんな事もあって、水瀬先輩に少なからず嫉妬してしまっている。 だから、楽しそうに話すお兄ちゃんに思わず意地悪な質問をしてしまった。「まぁ、柚希の方が美味しいよ」 とそっぽ向きながら答えた。 そう答えるお兄ちゃんの耳は赤くなっていて、嬉しさが込み上げてくる。「ふ、ふ~ん」「な、なんだよ、そのそっけない態度は! 柚希がどっちが美味しかったか聞いてきたんだろ」「それもそっか、ありがとうお兄ちゃん♪」「お、おう」 自分の中の最高の笑顔でお礼を言うと、お兄ちゃんの顔は更に赤くなった。 わかりやすくて可愛いなぁ。「で、明日は新島先輩の番なんだよね?」「ああ、明日からは一日ごとに順番になってる」「それじゃ明日の報告楽しみにしてるから」「楽しむな! こっちは真剣なんだから」「はーい」 こうして今日の会議は終了した。 お兄ちゃんが部屋に戻っ
last updateÚltima actualización : 2026-08-19
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その18

 今日の朝早く、お兄ちゃんはキャンプに向かった。 一泊の予定なので、明日の夜には答えが聞ける筈。 新島先輩と水瀬先輩、どちらを選ぶのだろう? どっちを選んでも後悔して欲しくない。 もし、万が一、どちらとも選ばなかったら……? そうなったら私は――――。 部活も無く、家でジッとしていると気分が落ち着かない。 なので、私はめぐを遊びに誘う事にした。 スマホを手に取り電話を掛ける。「もしもし、おはよう」「おはよう~。どうしたの?」「折角部活が無いから遊びに行こうかなって。今日空いてるかな?」「うん、大丈夫だよ。何時からにする?」「ん~、今からどう? お昼食べながら何するか話そうよ」「うん、いいよ」「良かった。それじゃあいつもの場所で待ってるね」「は~い」 通話を終えてベッドに倒れ込む。 めぐは本当に良い子だ。 私が一人で結果を待つのが怖くて、急な誘いにも応じてくれる。  私の気持ちを告白したらどんな顔するだろう? めぐだってお兄ちゃんの事が好きだった。 諦められないと泣きついてきた事もある。  やっぱりめぐには絶対に話せない。 もし知られたら……。 スマホの画面を見つめたまま呟く。「ごめんね、めぐ……」  いつもの待ち合わせ場所に着き、めぐを待つ。 数分もしない内にめぐがやって来た。「ゆず~、お待たせ~」「全然待ってないから大丈夫だよ」「それにしても暑いね」「ね~。部活無くてよかったよ」「ホントだよ。部活も夏休みの間は休みにして欲し~」「あはは。とりあえずお昼行こっか?」「そうだね。早く涼みたいよ~」 他愛のない話をしながら歩き出す。 やっぱりめぐと話してい
last updateÚltima actualización : 2026-08-20
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その19

 店先でめぐを見送った私は沙月ちゃん達のいるロビーへ戻る。 すると香織が男子の一人と言い合っていた。 近くのソファに座って傍観している沙月ちゃんに尋ねる。「ねぇ、あの2人何かあったの?」「なんかさ~男子も2人来れないみたいなの。それで柚希ちゃんを除いた私たち4人はいつものメンツになっちゃったってワケ」 合コンだからと張り切って来たのに知り合いしか居なかったら怒っても無理はない。 今日はこれで解散の流れになるだろう。 そう考えた矢先、黙ってスマホを弄っていたもう一人の男子が口を開いた。「……よし! 阿部~もう一人呼んどいたぞ」「お、ナイスだ伊藤」「はぁ? 誰が来るのよ」「安心しろよ。香織が気に入るヤツだから」「ホントぉ?」「まぁまぁそういう事だから! せっかく部屋を借りたんだし先入ってようぜ」「え……ちょ、ちょっと! もう!」 伊藤と呼ばれた男は香織の腕を引っ張り奥へ行ってしまった。 ちょっと強引な気もするけど……大丈夫かな?  「心配しないで、柚希ちゃん。危ない事は絶対させないから」「え? う、うん」「それじゃあ私たちも行こっか!」 沙月ちゃんはそう言うと私の背中を軽く押し進む。 少し戸惑ったものの沙月ちゃんの無邪気な笑顔に観念してしまった。 カラオケルームに入ると香織たちが既に騒いでいた。「お~結構広い部屋だな! アタリアタリ!」「だな! 15人くらい入るんじゃないか?」「あんまりはしゃがないでよ。子供じゃないんだから」 U字のソファが2つ並び、その間には黒の長テーブルが置かれている。 壁に設置された大型のディスプレイには最新の曲が鮮やかに流れていた。   暫くすると、各自頼んでおいたドリンクが運ばれてきた。 それぞれのドリンクが手元に渡りきったところで伊藤さんが確認を取
last updateÚltima actualización : 2026-08-21
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その20

 伊藤さんと上杉先輩が席に座り、改めて乾杯をする。 上杉先輩は軽く自己紹介をしてくれた。 男子3人は同じ高校の2年生らしい。 「沙月ちゃん、それ桜臨の制服? スゲー似合ってるね」「ホントですか~?」「俺ウソつかないから。あ、そのピアスも可愛いね」「嬉しい~。ありがとうございます~」 狙い通り制服を褒められた沙月ちゃんは上機嫌だ。 服装を褒める辺り、上杉先輩も場慣れしている感じがする。 そんな2人の傍らで香織はモジモジしていた。 そういえば上杉先輩が参加してから一言も発してない。 どうしたんだろう?  そう思った時、阿部さんがテーブルを乗り出し小声で「香織と上杉は昔付き合ってたんだよ」 と言ってきた。「え? そうなんですか?」「あぁ。香織は今でも上杉に未練あるみたいだけど、上杉の方はもう興味なさげだな」 この人たちもしかして、香織が帰るのを阻止するために上杉先輩を呼んだの? 香織が残れば私も残るだろうと予想して。 ……まんまと乗せられたってわけか。 ちょっとムカつく。 笑顔の裏でそんな事を考えて過ごしていると、上杉先輩は私に話しかけてきた。 「ねぇ柚希ちゃん。佐藤……いや、友也は元気にしてる?」「あ、はい。元気ですよ。高校も同じ咲崎ですし」「へぇ、そっか」 聞いてきた割にはそっけない返事を返された。 私とは仲良くしたいけどお兄ちゃんには興味ないみたいだ。   そんな上杉先輩とは対照的に沙月ちゃんが食いついてきた。「え! 柚希ちゃんお兄さんいるんだ~」「うん。一つ年上で上杉先輩と同級生だよ」「へぇ~。柚希ちゃんカワイイし、きっとイケメンなんだろうなぁ」 などと勝手に妄想を繰り広げては目をキラキラさせている。  余程イケメン男子に目がないらしい。 する
last updateÚltima actualización : 2026-08-22
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