Todos os capítulos de 人外娘さんと真面目にファンタジーしちゃう本: Capítulo 21 - Capítulo 30

31 Capítulos

術後の朝

「いい顔になったな、エグゼ」 朝一番、顔を洗いに出てきたエグゼに、ソウマが話しかける。「そ、ソウマ! な、なんだよ、藪から棒に!」 慌てているのが何かあった証拠なのだが、エグゼは取り繕うことも出来ず、うろたえている。「そう恥ずかしがるな!なにもからかいに来た訳じゃない!」 そう言ってソウマはエグゼの肩を抱くと、耳元で呟いた。「護る者ができることは、いいことだ。なにより自分が強くなれる。窮地に立たされた時に、その護るべき存在を思い出してみろ。絶対にあきらめなくなる。必ず立ち上がれる。必ず勝てる。特に、お前は一度絶望を知っているからな。二度と同じ思いはしないだろう」 ソウマは、エグゼを離すと。「さぁ、飯だ。飯!」 と大きな声を上げて、食堂へと歩いて行った。「……。朝ごはんはまたソウマの手作りかな?」 ソウマの料理の腕は逸品だ。朝から楽しみである。 そして、取り敢えずたたらを起こそう、と一度寝室に戻るエグゼだった。 食卓に並ぶ料理。 朝ーすでに昼に近い時間だがー飯にしては、かなり豪華だった。「この料理は、どこから掻っ払ってきた?」 開口一番、たたらが不穏なことを言う。「なにを言ってるんだ、たたら。これは俺が腕によりを掛けて全部作ったんだぞ!」 エプロン姿のソウマがか片腕を腰に当て、もう片方の手で、お玉を振りまわしている。「なっ!? 貴様がかっ?」 心底驚いたように、たたらが驚愕する。「そう、この男、こういう所無駄に器用なのよね」 興味なさげに、髪をいじりながら呟くアーニャ。「すごい! そーまは、なんでも出来るんだね!」 正反対の反応をしてくれるティアラ。「戦場に長くいるとな、うまい飯が食いたくなるんだよ! 飯は活力の元。しっかり食って、しっかり休んで、いつでも万全の体調で戦闘に臨める様にしないとな」 エプロンを外し、自分も席に着く。「それに、お世話になってるんだ。これくらいのお礼はしないとな。じゃあ、頂きます!」「「「いただきます!」」」 なんとなく、みんなで声を合わせて食べ始めてしまう。「む……。うまい……」 憎まれ口でも叩こうと思ったのだが、悔しいかな、本当に美味しい。「そーま、そーま! これすごいおいしいよー! それになんか、お祝いみたいだね!」 ティアラは専用の食器と、特別に小さく切り分け、盛
last updateÚltima atualização : 2026-08-19
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決戦に向けて

 日が高く登る頃。 エグゼとたたらは、加治場にいた。 溶鉱炉では、青白い火が音を立てて燃え盛っている。 幻想的とも思える光の中で、二人は精霊石を前に、佇んでいる。「さて、これからこの精霊石を鍛えて行く訳だが、基本的に貴様はなにもすることはない。最後の仕上げに、少し手伝ってもらうがな。それまでお前はこの精霊石を丸く仕上げておいてくれ」 そう言って手渡されたのは、拳大の精霊石だった。「これは?」「新しい剣の、大事な部品だ。心を込めて磨いてくれ。精霊石は、想いに反応する石だ。こちらの心をよく写す鏡の様なものだ。想いを込めたら、その分だけ返してくれる、最高の鉱石だ。 お前の素直な想いをぶつけてみろ。私も剣にありったけの想いをぶつけよう。昨夜、二人で確かめ合ったこの世界を救いたい、と思う気持ちをな」 恥も照れもない。純粋なたたらの心が、見えるかのようだ。「わかった。でも、憎しみや恨みが入ってしまうかもしれない」 地獄の業火に身をやつすような、ミハエルに対する醜い感情。 世界を救う。 国を取り戻す。 ミハエルを倒す。 そこに目標を置くと、吹き出す黒い感情。 しかし。「それがエグゼの素直な感情なら、それでいい。自分の生命に嘘をつく方が、よほど醜いよ。ミハエルを倒すために必要ならば、その烈火の如き怒りもその石に、この剣に込めろ。その全てが剣の糧となる」 そう言って、たたらは着物を襷で結ぶと、愛用の槌を手に取る。 何万、何億とこの槌で剣を打ってきた。 しかし、今回の仕事は、今までと明らかに異なる物だった。 はるか昔には作ったことがあるが、この大陸に来てからはなかった目的の剣。 戦争をするための剣。 絶対悪を打ち破るための希望の剣。 前回作り上げた『大いなる精霊王の剣』は平和の象徴だった。精霊王のチカラを宿すことができる、という意味ではたたらの長い人生の中でも、最高傑作と言ってもいい。 しかし「剣」としてはどうか。まだまだ、改良の余地があったと思う。 なぜなら、誰かを「殺すため」に作ってはいないからだ。精霊のチカラを使えれば、それだけで最強の剣だった。 今回は違う。魔法、7大精霊や精霊王のチカラを使えなくても、剣として最強でなければならない。 エグゼがミハエルに敗れた、と聞いたときから、たたらは思案していた。所詮は石である精霊石に
last updateÚltima atualização : 2026-08-20
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魂の繋がり

「あら?」 たたらの家に戻ったソウマとティアラ(寝てる)は、今で手持ち無沙汰なアーニャと出くわした。「ソウマ、その体の光……。ティアラの特殊能力かなにか?」 ソウマをちらりと見たアーニャはポツリとつぶやいた。「傷を治す。妖精の……。魂の欠片?」 アーニャが六つの目を細め、ソウマをジッと見つめる アーニャの能力。 それがどんなものなのか、本人も説明しずらいらしいのだが、「物事の本質を見極めること」ができるらしい。 その人物の生命の奥底で起こったことすら、彼女の複眼は見えてしまう。 この時ソウマの身体に、ティアラの能力が付与されたことを一目で看破したのは、この能力のためだ。 そしてソウマは、このアーニャの能力こそ、ミハエルの展開している、魔法を使えなくしている『黒のカーテン』を打ち破る秘策だと考えている。「魔法とは違う、妖精に備わる能力かしら? それなら、大概の傷は瞬時に癒せそうね」「さすがだな。見た目になにか、違いがあるのか?」「ソウマの見た目には変わりはないわよ。ただ、その奥の魂に、普段ない光が見えただけ。で、それがティアラの魂と同じ色をしてたのよ。そのティアラの色を詳し〜く見てみると、なにかの能力だ、っていうのがわかるの!」 この辺からは、もうソウマとティアラにとっては、想像の世界でしか、なくなってしまう。「わぁ! あーにゃちゃんは、バカヂカラだけじゃないんだね!」 いつのまにか起きていたティアラが無神経なことを言う。「ティアラ。私のこと、なんだと思ってたの?」「バカヂカラのあらくねさん!」 なんのためらいもなく答える。 ちなみに昨夜うまい酒をかけてエグゼ、ソウマ、たたら、アーニャで腕相撲をしたところ、みんなの予想を覆し優勝したのはアーニャだった。「……逆に、ここまではっきり言われると、清々しいわね。まぁ、いいわ。戦場、見に行ってきたんでしょう?」 アーニャはソウマのほうへ、居住まいを正すと、本題に入った。「あぁ。山に囲まれた平原で、戦いやすそうな場所だ。迂回してこの町を目指すとなると、相当遠回りになる上に、労力も半端ないだろうな。そんなことで、兵や馬を疲れさせ、時間を食うぐらいな、正面突破した方がマシだ」「罠とかは、仕掛けないの?人死にが出ないような罠なら…」「いや。これは、たたらから俺への挑戦だ。受けるな
last updateÚltima atualização : 2026-08-22
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大いなる精霊王の剣

 精霊石を高炉に入れ、溶けたら鉄槌で叩き、不純物を取り除き、鍛え、また高炉に入れる。この時点で、剣の中心となる精霊石は、折れないために柔らかく作らなくてはならない。その上に、切れ味を良くするため、曲がらないために、硬い精霊石でくるみ、更に鍛え上げる。 宙に浮く鳥の羽根をも両断する切れ味と、鉄を切断しても折れず、曲がらない柔軟で強靭な剣を打ち上げる。 不純物を取り除き、剣を作るに値する精霊石のみを残す。 この技術は何百年と剣を作り続けてきた、たたらをもってしても、未だに困難な作業だ。 しかし、これだけではただの切れ味のいい剣で終わってしまう。 特に素材が「石」である。 そんなものから、鉱石から作るどのような剣にも勝る剣を作らなければいけないのである。 そのため、今までは魔法力を使、剣に強化魔法を付与した鉄槌で鍛えていた。 しかし、今回は魔法は使えない。 その対策としての房中術だ。 今まで。 エグゼが倒され、ミハエルが政権を取るようになってからたたらは、この日が来ることを予見していた。 エグゼなら、必ず生き延びて、ミハエルに反旗をひるがえすだろう、と。 今日、この日。この時のためにたたらは気を溜め続けた。 剣を作り続け、更に質の良い武器を作る試行錯誤を重ね、気を練り、房中術をマスターした。 昨夜エグゼと交わった気は、今までの魔法力を遥かに上回る強大なチカラとなり、たたらの体内で渦巻いている。 それをあらん限りの力を込めた両の腕に託し、鉄槌を打ち下ろす。 その度に火花が散る。 その輝きは、正に命の煌めきそのものだった。 一つ打ち、気を込める。 二つ打ち、人生の集大成を掛ける。 三つ打ち、その生命全てを捧げる。 二人いる鍛治場に、言葉はなかった。 あるのは、この大陸を救うために、今まさに生まれ落ちんとする、伝説の剣の産声だけだ。 ……。一方。 エグゼは、たたらから渡された精霊石をひたすらに磨いていた。 たたらに指定された大きさの球形にするために……。  夜の帳が降りる頃。 台所には、鼻歌を歌いながら夕食を作るソウマの姿があった。 たたらからお金を預かり好きに使っていい、と了承を得ていた。 朝、日が昇る前からこの時間までたたらとエグゼは、ずっと鍛治場に籠りきりだった。「ふたりはごはん。食べないのかなぁ?」 
last updateÚltima atualização : 2026-08-23
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戦場

 そして。 そして、ついに。 シスカの町に、今までにない危機が訪れる。 それは、もちろんシスカの住民たちも知らされいた。 戦場となる広大な野原は、小高い位置にあるシスカの町から全体を見渡せる位置にあった。 だからこそ、町人にも見えてしまったのだ。 これから起こる戦いが、どれだけ絶望的なのかが。 人間の兵、さらには見たことのないモンスター軍団。その一番後ろに一つ目の巨人が座している。 それはどれほどの数だろう。  1万は軽く越え、5万、10万まで迫ろうである大軍だ。 「ママ……」 小さな子供はあまりの恐ろしさに泣くこともできずに母親に、父親にすがりつく。 対するはこちらの戦力は、人間の男一人のみ。 子供の恐怖も当然である。 一体ルドルフは何を考えているのだろうか。 これほど戦争なら、無条件降伏をしても恥ではない。 むしろ英断だ。 しかし、町人たちの意見に、ルドルフは頑として首を縦に振らなかった。王政グランベルトの軍門に降るくらいなら、この町ごと死を選ぶと言っていた。確かに町人たちも、グランベルトに与するのは願い下げだった。もしシスカの町の質の高い武具がグランベルトに渡ってしまったら、他の3団体も駆逐され、あっという間にこの大陸全土がミハエルのものになるだろう。 そうなるくらいなら、戦って死ぬ方がまだましだ。 それなのに、ルドルフは旅人の2人に、この戦争を預けたのだ。 自分たちではなく、あの若者たちに。 しかも、どれだけ強いが知らないが、今戦場に立ってたいるのは、たった一人の人間である。 相手は、あの大英雄率いる至高の軍団と呼ばれた魔法騎士団を打ち破ったミハエルの軍勢である。 それこそ衝突してすぐ蹂躪されるのがオチであろう。 後ろにいるモンスター軍団の出番もない。 それが、町人たちの予想だった。 そして、それは百人いたら百人がそう予想してもおかしくない結末である。 しかし、ルドルフだけはあの人間が一人、もしくは亡国の騎士と二人であの大軍を倒すと思っていた。ーー気でもふれたか?ーー 誰もがそう思っていた。 そう戦闘が、いや、戦争が始まるまでは。た時と同じだ。お前の気持ちをありったけ込めろ」「あぁ」 エグゼの心の内。それは帰ることは叶わない、焦熱地獄。 飾らない言葉で剣を打つ。 聖エルモワール王
last updateÚltima atualização : 2026-08-25
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ソウマ、出陣

  兵の行軍は順調。 予想通りのタイミングでシスカの町から程よく離れた草原に、ミハエルの軍勢は現れた。 歩兵、騎馬兵の人間の兵士たち。その後ろから、見たことの無い異形の魔物-おそらく造魔だろう-が控えていた。 そして、その一番奥。 これだけ離れていても、その存在感は圧倒的だった。 10mはあろうか。 頭に巨大な角を生やし、全てを噛み砕かんとするかの如く上下に生えた強大な牙。 一つしか無い目は大きく、視野角も広く取れることであろう。 山のように盛り上がった筋肉は、鋼でできているかのように強靭でその手に握られた武器は、武器と呼ぶのもおこがましい。 その大きさ、重さだけで、一つの町を破壊できるのではないかという、金属の塊だった。 サイクロプス。 一つ目の巨人は広く陣形をとる軍隊の最奥あってなお、一人立つソウマに、あり得ないほどの殺気を送り続けていた。『やっと着きましたよ、ソウマ君。ツクヨミの街を通してくださって、ありがとうございます。……おや、エグゼ君の姿が見えませんが、せっかくの剣が、完成しなかったのですか?』 そのサイクロプスから発せられる声は、先日聞いたミハエルと同じものだった。 ただの怪力だけではない。 天才と賞された、ミハエルの戦術をそのまま大軍に伝えることのできる、知将でもあるのだ。 なんという恐ろしい敵なのだろうか。しかし。「なに、この程度の兵力なら、俺一人で十分だから、エグゼには休んでもらってるだけさ」 不敵に笑うソウマ。 実際。 剣自体は出来上がっている。 あともう少し。 この地にいる、日の大精霊サニーとの契約をしなければならない。 果たして、この戦いが終わるまでに、間に合うのか?『さて、この大群を前にお手並み拝見と行きましょうか、ソウマ君』 10万にも届く大軍を前に、ソウマはただ一人、その孤独な戦いを開始した。
last updateÚltima atualização : 2026-08-27
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大精霊と契約へ

 森を走る。ただひたすらに。 背には、出来上がったばかりの剣がある。 あらたな『大いなる精霊王の剣』を携え、エグゼは先日行った、『精霊の寝所』に急いでいた。 この先にいる、『日の精霊サニー』と再び契約をかわさなければならないのだ。 その時は2日近くかかった道のりを、今は数時間で踏破しなければならない。そうしなければ、戦が終わってしまう。「エグゼ、こっちを通ろう! 私たち妖精が使う、秘密の抜け道だよ!」 ティアラがエグゼを誘う。その先にいる7大精霊の元へ。「ここから先、私は行けないから、エグゼだけで行って。私は、先に町にもどってふたりの無事をいのってるよ」 ティアラは、下唇を噛み締め悔しそうに言うと、エグゼに背を向ける。 何もできない。何のチカラにもなれない。無力が、恨めしい。「ティアラ、ありがとう!」 そんなティアラのこころの内を見透かしたように、エグゼが微笑む。 ティアラは無力なんかじゃない。 その存在自体が、今戦っている戦士たちのチカラになるのだ、といわんばかりの笑みだった。 たったそれだけのことで、ティアラの心が軽くなる。「負けないで、エグゼ!」 小さな、でも大きな応援を背に、エグゼは『精霊の寝所』へ急ぐのだった。「待ってたよ〜、エグゼ」 森の中の開けた原っぱに、先日と同じようにサニーは佇んでいた。 しかし、その表情は、この間と違い決意に満ちていた。『日を司る大精霊』であるサニーにとって、戦さは得意なものでは、決してない。 爽やかな朝の、希望に満ちた活力を与え、1日を健やかに過ごすための加護を授ける。 生きとし生けるもの、全てに平等に降り注ぐ、まさに陽の光のように穏やかで優しい精霊なのだ。本来は。 しかし、一度その力を戦に使えば、この世の全ての水分を枯渇させ、砂漠に変えることも、強力な日差しのごとく、生物に致命的なダメージを与えることも可能なのだ。 恐らくサニーは、エグゼが再びこの地に訪れるまでに、様々な葛藤をしながらも決意したのだろう。 その力を、戦争のために使うことを。「覚悟はいい〜? 今までの契約とは、訳が違うよ? 今まではエグゼの魔法力で私を自由に呼び出して、エグゼの魔法力を使って、この世界で実体を得ていたの。 でも、今はそれができないのぉ。私たちレベルの大精霊が『聖地』でもない場所で、実体を保
last updateÚltima atualização : 2026-08-28
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大砲

「砲台大隊、準備!」今まで布で覆われていた巨大な台車。その中身はなんと大砲であった。先の駐屯地での戦いでは、この男に弓矢が効かないとの報告がなされている。ならば、さらに強力な兵器を用いればいい。ミハエルは、人間の兵には命令は出していないようである。この戦いの指揮官は、それをミハエルはからの信頼だと受け取った。そして、万が一にも負けないために、砲台大隊まで連れてきたのだ。砲台は5基。もっと多数の兵が待ち構えていると思ったが、相手は一人である。この分なら1基でも十分だった、(ミハエル様はなにをお考えなのだ。たった一人の人間相手に、ここまでの規模での遠征をしなくとも……)司令官はそう思った。「まぁ、いい。さっさと片付けてかえるぞ! 砲台大隊、発射準備!」「砲台5基、発射準備、よし!」「……。打てっ!!」 鼓膜をぶち破らんばかりの轟音と共に、5基の砲台から、鉄塊が飛び出す。 それは砲台大隊の腕を如実に表し、吸い込まれるようにソウマに目掛けて飛んでいく。「多少はマシなもん持ってんじゃないの」 せまる大砲に、ソウマ片足を上げ一撃目目掛けて蹴りおろす。 そして地面を抉り、砂煙を撒き散らしながら鉄の塊は着弾する。「終わりましたぞ、みんな!勝鬨をあげろ!」 しかし、誰も声を発さない。 砂煙が晴れたその先に、ひとりのは男が無傷で立っていたからだ。「……はぁ?」 これはさしもの司令官も予想外だった。 この砲台を使えば、堅牢な城すら破壊できるのだ。 はっきり言って、対人兵器ではない。 それを5発、一人の人間に打ち込んだのだ。 跡形もなく吹き飛んでしまうのがオチだ。 しかし。「俺を倒したいなら、この10倍の大きさか、10倍の数を連れて来るべきだったな」ソウマを中心に、砕かれた砲弾がただの鉄の塊として転がっていた。「ば、バカな!?砲台大隊、次弾装填準備!」しかし、その隙を逃すソウマではない。風の如く駆け抜け、その拳で砲台を破壊していく。なんという攻撃力か!この砲台自体も強固な作りになっていて、人間が素手で破壊できる代物ではない。もし破壊したいなら、同じ大砲でも持ってこないと無理である。それを、この男は一撃で全ての砲台を壊して見せた?あまりの速さと攻撃力に誰一人として動けないでいた。「さぁ、小細工は無しにしようぜ
last updateÚltima atualização : 2026-08-30
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ソウマVSミハエル

 機動力の高い騎馬隊が、ソウマを取り囲む 馬の機動力と、頭上からのランスの攻撃。 しかし、この程度の敵は戦い慣れている。 ソウマは地面を蹴り、円を描くように蹴りを放つ。 ソウマを中心に、半径10メートル以内のものが、全て弾き飛ばされたソウマに近寄ろうとするが全てが吹き飛ばさた。 騎馬隊が全滅するまで、その暴風は止まることを知らなかった。 馬の機動力、さらにはランスで中距離、頭上から迫る攻撃。 もともと人間の持つ格闘技は、真下や上からの攻撃を苦手とするものだ。 しかし、そんなアドバンテージを物ともせず、この男はあの勇猛果敢で名を馳せる、王政グランベルトの騎馬隊を一網打尽にしてみせたのだ。 唖然とする指揮官。 他の兵士たちも言葉が出ないでいた。 その隙に。 だが、その隙など瞬きする程でしかない。 しかし、その間にソウマは指揮官の前に立っていた。「やれやれ、前の指揮官よりマシかと思ったけど、そうでもなかったかな?」「なっ?!」 指揮官が気がついた時にはもう遅く、矢より鋭く、鉄槌よりも強力な一撃が腹部に突き刺ささり、気を失う。 しかし、そこはグランベルトに仕える忠実な兵士たちである。 たとえ指揮官を失ったとしても、その志気をは下がることなく、副指揮官を中心に編隊を組みなおし、ソウマを殺すべく襲い掛かる。 スリーマンセルで攻撃を仕掛ける兵士たち。 そこに大きな隙など見られない。 そして気を配らなくてはならないのは、前面だけではない。 人間の兵士たちだけでも5万はいるのだ。  すべての方向から攻撃が来る。 しかし。「遅いっ!」 何気なく振るわれた刺突が5人の兵士を行動不能にした。 さらにソウマは止まることなく突きを、蹴りを、繰り出している。 そのたびに屈強な兵士たち数人が戦闘不能に陥っていた。 兵士たちも、渾身の斬撃を放っていはいる。 剣を使い、弓を使い、斧を使う。 さらには、その動きを封じるために、ピアノ線より細く、鋼より強い特殊な糸の両端に重りをつけたボーラまで準備して、用いている。 これは御前試合ではない。 殺し合いで戦争なのだ。 兵士たちもただ綺麗に戦っているだけではない。 剣を使いつつ、蹴りを放ち、さらには目潰しを使うものまでいる。 しかし。 その全ては交わされ、いなされ、あしらわれかすりもしな
last updateÚltima atualização : 2026-09-04
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サイクロプス・ヴィヴィアン

「上等っ!」『陣形を開きなさい。左右から包み込み、全方位から仕掛ければ、一人では手が回らなくなります。数の利を活かしなさい』 矢継ぎ早に指示が出されていく。 大軍は淀みなく動き、左右へと広がろうとしている。「させるかよ。行くぞ『深淵流•鶴翼双爪』!!」 全身のバネを使い、大地から集約した力を両腕から放つ。その技はスミカの村で山崩れを止めて見せたあの技だった。 今まで腕を振るっただけで繰り出された衝撃波とは、比べることのできない程の威力を伴った烈風が、左右に広がろうとしていた造魔たちを襲う。 その破壊力は、竜巻にも劣らない。大地を抉り、屈強な造魔をまとめて数十。いや、数百匹を切り裂き、無に帰す。 これが魔法を使わずに、一人の人間が使える体術なのか。 さらに広がろうと軍を動かしていたミハエルが、一瞬躊躇する。 軍を左右に分かれさせるために、ソウマの邪魔が入らないよう、手練の造魔を数匹足止めに送り込んでいたのだ。 しかし、刹那の時間稼ぎ。それすら果たせなかった。『……。作戦を変更します。造魔、全総力を持ってソウマ君へ向かいなさい。他の者は、放っておいて』 ソウマの底のしれない強さに、ミハエルは瞬時に作戦を切り替える。 持久戦。 とにかく、ソウマに休む間を与えず攻め続け、隙をこじ開ける。 単純明快だが、戦力を分散させ無駄に犠牲をだすくらいなら、この男にはそれがいい。「素早い判断だ。だが、それは悪手だ」 空からは翼を持った造魔が。 前後左右からは、スピード、パワーに長けた造魔が。 地下にトンネルを掘れるものは下から。 まさに、全方位から襲いかかる異形の者たち。 しかし、ソウマは動ずる事なく、流れ作業のように敵を屠って行く。 真上の敵を蹴り上げた脚で貫く。 そのまま振り下ろし、その風圧だけで、前方にいた人狼数匹を切り裂き、さらに止まる事なく脚を大地に叩きつけ、地下に潜っている敵を蹴り潰す。 その蹴りの衝撃で地面が大きくえぐれ、クレーターができた。 急に足場を失い体制を崩す造魔数百匹。対してソウマは、中空へと飛び上がり、下方へ向かって蹴りを放つ。「『深淵流・空牙くうが』!」 たった今できたばかりのクレーターに嵌まった造魔たちが、ソウマの放つ技の前に、ことごとく消されていく。 その間も、ミハエルはなんとか後ろの人間兵を人
last updateÚltima atualização : 2026-09-09
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