手術室の外は、相変わらず騒がしいままだ。夕顔はわざわざ友人たちまで呼び寄せ、この茶番を見物させている。みんな僕のベッドを囲み、中には右目を覆う包帯をめくろうとする者までいた。「おっ、本当に見えなくなってる!でも片目だけなんだ。両目とも摘出したのかと思ってた」「夕顔の旦那ってさ、本当に親子に尽くしてるよね。浩次のためなら、自分の目まで差し出すなんて」麻酔が切れると同時に、焼けつくような痛みが右目を襲う。耐えきれず、生理的な涙があふれ出す。それを見た夕顔は、心配するどころか、面白そうに僕を見つめるだけだった。「阿須賀、何泣いてるの?片目が見えなくなっただけでしょ?もう片方はちゃんと見えるじゃない。私も浩次も、ただちょっとした冗談のつもりだったの。まさか本気にするなんて思わなかったけど……」その顔には、罪悪感なんて欠片もない。ただ形だけ慰めるように、僕の手をぽんと叩く。周りを囲む連中も、必死に笑いをこらえて肩を震わせていた。「どうして、こんなことをした?」半分しか見えない世界に、僕は心が壊れそうになる。夕顔の手を強く握りしめ、思わず声を荒らげる。病室の鏡には、片目を失い、苦痛に顔を歪めた僕の姿が映っていた。「僕は浩次のためならって、自分の目まで差し出したんだぞ!どうしてそんなことを笑い話にできるのか!」唇を強く噛み締めると、口の中いっぱいに血の味が広がる。そんな僕を見ても、夕顔は呆れたように口を尖らせるだけだった。「そんなの、私の言うことを何でも信じるほうが悪いでしょ。それに私は目を摘出してなんて一言も言ってない。勝手に勘違いして、本気にしたのはあなたじゃない」あまりにも身勝手な言い分に、僕は怒りを通り越して笑ってしまう。「ママの言う通りだよ。パパが勝手にバカだっただけ。やっぱり哲也さんのほうがずっといい!」その言葉で初めて、部屋の隅に立つ哲也の存在に気づく。彼は薄く笑みを浮かべながら、僕を見下すような視線を向けていた。浩次は哲也の手を握り、甘えるように体を寄せている。「こんな片目のパパが保護者会に来るなんて、恥ずかしくて最悪だよ」僕は目頭が熱くなり、息子を見つめる。まだ八歳の子どもが、こんなにも人を傷つける言葉を平然と口にするなんて。「浩次、いくらなんでもパパにそんな
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