All Chapters of 喋れない私を見捨てた幼馴染はもう要らない: Chapter 11 - Chapter 12

12 Chapters

第11話

「夕奈とあんなことをするって決めたのはあなた自身だし、過ちを犯したのもあなたでしょ。あなたが言う『嫌なこと』なんて、全部あなたの自業自得よ。私には何の関係もない。でも、私の味わった地獄のような苦しみは――全部、あなたが原因よ」心の底から沸き上がる怒りのせいか、私の声は自分でも驚くほど淀みなく、はっきりと出ていた。「最初から、あなたが私を『夕奈の機嫌を取るための道具』として扱わなければ。私が心身ともにあんなに深く傷つけられることはなかったわ。樹、よく聞いて。私があなたと一緒になることなんて、この先永遠にあり得ない」かつて、彼が体育倉庫で夕奈に向けて吐き捨てた言葉を、そのままそっくり熨斗をつけて返してやった。「私はあなたを見るだけで、夕奈たちに無理やり口をこじ開けられて、屈辱的な動画を撮られたあの悍ましい光景を思い出すの。傍観者を気取って、冷酷に私を見捨てたあなたの姿を……私は一生忘れない。私が許せないのは、『あなたが守ってくれなかったこと』じゃないわ。『私のすべての痛みの元凶が、他でもないあなた自身だということ』よ」私の言葉に、樹の顔から血の気が引いた。「こ、言葉、俺にだってどうしても言えない事情があったんだ!」樹は必死に私にすがりつこうと手を伸ばしてきた。「俺だって、お前を傷つけたくなんかなかった! 冷たく突き放したくもなかった! でも、あの場で俺が表立ってお前を庇えば、夕奈の嫌がらせがもっとエスカレートすると思ったから……っ!だから俺は、裏で委員長の久子に連絡して、お前を助けに行かせただろ!」一気にまくし立てた後、彼は縋るような、哀れで必死な瞳で私を見た。「俺は決して、お前を見捨てたわけじゃないんだ。俺なりに守ろうとしてたんだよ……分かってくれよ、言葉」私は思わず、冷たい嘲笑を漏らした。「……へぇ。あなたが私に近づけば、夕奈が私をターゲットにするってこと、最初から分かってたのね。だったらどうして? 私はあれだけあなたと距離を置こうと努力していたのに。どうしてあなたは、私に近づこうとしたの?あなたとの関わりが、私にとってどれだけの『害』になるか、分かっていたくせに」「抑えられなかったんだよ!」樹は血走った目で私を睨みつけ、半ば咆哮するように叫んだ。「理屈じゃねぇんだ! 気
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第12話

当時、森永家はかなり汚い手を使って、須賀家が狙っていた大型プロジェクトを横取りしたらしい。それに激怒した夕奈の父親が、森永家に報復するため、闇サイトでチンピラを雇って樹の命を狙わせたのだという。もしあの日、私の父が命を懸けて彼らを足止めしていなければ、樹は間違いなく殺されていただろう。……なんてこと。あまりの理不尽さに、私はギリッと歯を食いしばった。権力者たちの醜いエゴと欲望のせいで、父は片足を失い、私は声を奪われたのだ。今、こうして夕奈の父親が逮捕され実刑判決を受けたことは、まさに自業自得、天罰としか言いようがなかった。ニュースアプリを閉じ、私は先ほどのメッセージ画面に戻った。長いテキストには、樹からの思いが綴られていた。【言葉。俺は夕奈と一緒に過ごす中で、偶然にも須賀家があの襲撃事件に関与していた証拠を見つけたんだ。すべてを明らかにするため、俺はあえて夕奈との婚約を破棄しなかった。この四年間、吐き気をこらえながらあの女のそばにいた。一分一秒が、気が狂いそうなほど地獄だった。でも、その四年間の雌伏を耐え抜けたのは――お前がいたからだ。お前への想いがあったからこそ、俺は戦い抜けた。言葉。俺はついに昔の決定的な証拠を手に入れ、夕奈の父親を刑務所に送ることに成功した。もともと病弱だったあいつの母親はショックで倒れ、今も意識不明の重体だ。須賀の会社も、そして森永家のすべて実権も、もうすぐ俺のものになる。言葉、俺のそばに戻ってきてくれ。今の俺なら、完璧にお前を守り抜く自信と力がある。大学を卒業したと聞いたよ。迎えに行ってもいいかな?】私は何の感情も湧かないまま、スマートフォンの電源ボタンを押し、そのままその電話番号を着信拒否リストに放り込んだ。春から私が就職する会社は、ここから遠く離れた別の街にある。でも、私の夢には一番近い場所だ。何もなければ、私と彼がこの先の人生で交わることは、もう二度とないだろう。【番外編】社会人になって一年が過ぎた頃。実家の両親が始めたお店は予想以上の大繁盛となり、私が住む街に記念すべき十店舗目の支店を出すことになった。会社の近くで新しい店舗のテナントを下見していた時、私のスマホに見知らぬ番号からの着信があった。不動産屋からの連絡かと思い、疑わずに通話ボタ
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