奥さんと子供を事故で亡くした親戚のおじさんがいる。 おじさんはその事故があっていらい、酒に浸って、廃人のような生活を送っていた。 そして、なぜか部屋の中に、おじさんには似つかわしくない可愛いらしい人形が置いてあった。 おじさんのなくなった娘さんが持っていたものだ。 なんでも、娘さんはとてもこの人形を大事にしていて、事故当時も持っていたらしい。 酷い事故にも関わらず、人形は無傷だった。 そして、おじさんは娘が大好きだったこの人形を、棺桶に入れて焼いた、というのだ。 祖父曰く。 人の形をしたもんは、魂が入りやすい。 たとえ売ろうが焼こうが、自分の住みやすい所に行くのさ。 自分の意志で、な。 祖父のいう通り、焼いたはずの人形は次の日には家に戻って来ていた。 何度捨てても、どこで供養しても、もどってくるのだ。 ある日、おじさんの家に行くと人形はなかった。 人形はどうしたのか? と尋ねると、おじはこう答えた。「質屋にいれたよ。また帰ってくるんだ。こんないい質草はない」 そう。おじさんは何度ももどって来る人形を、質に入れてお金にして酒に溺れていたのだ。 その後、本当の怪異に合うとも知らずに。 いや、おじさんにとってはある意味幸せだったのかもしれない。
Dernière mise à jour : 2026-09-07 Read More