All Chapters of 私の死後一週間、彼は愛に気づく: Chapter 11 - Chapter 12

12 Chapters

第11話

時には、昼間ですら良平を訪ねてくることさえためらうようになっていた。私は少し不思議に思った。才加はあれほど、良平を愛していると言っていたはずではなかったか。私たちが結婚する前、才加とその両親は代わる代わる私を訪ねてきて、身を引くよう迫ってきたものだった。それが今では、こんな様子で、一体どういうつもりなのだろう。けれど、その答えはほどなく明らかになった。この頃の良平は、寝室に自分ひとりで閉じこもり、扉も窓も固く締め切ったまま、私の骨壺に向かって、思い出をうわ言のように語りかけていた。私はその部屋に縛り付けられていたが、彼に胸の内を吐露されても、少しも心を動かされることはなかった。ただただ気だるく、毎日のように、どうして私はまだ成仏できないのだろうと考えるばかりだった。半月もの間、良平はろくに食事も水分も取らなかった。本当に空腹に耐えきれなくなった時だけ、冷蔵庫から残っていたヨーグルトを少し口にした。賞味期限が切れていようがお構いなしだった。彼はどんどん痩せ細り、憔悴しきった様子で、まるで一気に何歳も老け込んだかのようだった。見かねた私は、彼の夢枕に立ち、もう私のことは考えないでほしい、このままでは私まで成仏できなくなってしまうと伝えた。夢のなかで、彼はぼろぼろに泣き崩れ、私の脚にすがりついて、行かないでくれと懇願していた。まさか翌日、彼が本当に自分のためにまともな夕食を注文するとは、思いもしなかった。てっきり生きる気力を取り戻したのだと思っていた。けれど実際は、死ぬ覚悟を決めただけだったのだ。その夜、彼は浴槽になみなみと水を張り、傍らに鋭い果物ナイフを一本置いていた。良平は果物ナイフを握りしめ、自分の手首に刃を当てようとした、まさにその時、傍らのスマホが鳴り響く。少し迷った後、彼は電話に出た。繋がった瞬間、友人の興奮した声が飛び込んできた。「黒羽社長!優衣を死に追いやった男を見つけました!」私の死を知った後、良平は雇っていた見張りの男に怒りに任せて電話をかけ続けていたが、一向に繋がらず、それきりその男の行方も掴めなくなっていた。良心が咎めたのか、その友人が自らこの件を引き受け、男を見つけ出してやると言い出したのだ。てっきり良平は、その男を警察に突き出すか、憤りをぶつけるだけだと思っていた。
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第12話

家に入ろうとしたその時、扉の向こうから、才加たち家族の声が漏れ聞こえてきた。才加の父の声は、氷のように冷たかった。「才加、お前一体何をやってるんだ?未だに良平くんの心を掴めないなんて。せっかくおばあちゃんに仮病まで使わせて、良平にお前との式を挙げさせてやったっていうのに、本当に役立たずだな」才加の苛立った声が、はっきりと聞こえてきた。「私だって知らなかったわよ。あの人があそこまでおかしくなるなんて。毎日毎日骨壺と一緒にいるのよ?見てるだけで気味が悪くなるわ」才加の母がしばらく考え込んだ末、こう言った。「じゃあいっそ、今夜彼をここに呼んで、事故に見せかけて始末しちゃったら?会社の人だって、あの人がもうずいぶん出社してないって言ってるんでしょう?すっかり生きる気力をなくしているらしいし、それなら自殺に見せかけるくらい、簡単なことよ」才加の父が手を打った。「それはいい考えだ」才加は口をとがらせた。「でも私たち、まだ籍を入れてないのよ。あの人が死んだって、遺産は私に入ってこないじゃない」そのひと言に、3人は再び沈黙に包まれた。扉の外に立っていた良平は、まるで全身の力を根こそぎ奪われたかのように、その場に崩れ落ちた。やがて顔を上げると、空を仰いで笑い出した。ひとしきり笑った後、良平は何事もなかったかのようにその場を後にした。家に戻ると、丸一日部屋に閉じこもった。そして最後には、何日も青々と伸びていた無精髭を剃り落とし、上等なスーツに袖を通す。すべてを終えると、その夜、彼は才加の実家へと足を運んだ。彼の姿を見て、才加の家族は驚いた様子を見せた。良平は淡々とした声で告げた。「少々厄介な用事に追われていて、皆さんにはすっかりご無沙汰してしまいました。本当に申し訳ない」その様子は穏やかで、感情の乱れなど微塵も感じさせなかった。才加の家族は、私のことなど何も知らないふりをして、彼を歓待した。才加は彼の手を握りながら、瞳の奥に嫌悪の色をよぎらせつつも、興奮と安堵を装って、ようやく気持ちの整理がついたのかと尋ねた。良平は頷いた。「お前の言う通りだ。俺たちにはまだまだこの先の人生がある。ちゃんと生きていくよ。明日、ふたりで婚姻届を出しに行かないか?」互いに別の思惑を胸に秘めながら、何食
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