明くる日は雨。こうなると全ての予定が泡と消える。「ふぅ……」ベッドに横たわり、宙は真っ白な天井を見上げた。幸い在宅ワークの為、パソコンの前には移動できる。ベッドから這いずり、体の節々が痛むのを堪え、できる限り今日のタスクを進めた。着替えをして通勤するというプロセスがないのは本当に有り難い。しかしそれ以上に助かるのは、やはり一人しかいない空間で仕事ができる、ということだろう。周りに同僚が大勢いるのが当たり前で、会話もするし連携もする。だが体調が悪い時、気付かれないよう気を張る必要がある。人の目に晒されてるから頑張れることもあるが、体調不良のときは完全に独りの方が耐えられるタチだ。その心情を汲み取ってくれた叔父には感謝してもしきれない。カーテンを閉めても雨の音は聞こえる。途中からイヤホンをして、独りの世界に引きこもった。「いつつ……」夕方頃、ようやく重い腰を上げた。座り過ぎは良くないから軽いストレッチをして、テーブルに置いていたスマホを手に取る。するとちょうど一件、メッセージが届いた。「今夜行ってもいいですか? ……か」透夜だ。近頃は急の予定も言ってくるようになった。ただ、再会してから初めての雨の日。少し迷ったが、いつもよりは具合が良いので了承の返事を送った。透夜も仕事終わりで疲れてるだろうし、せっかくだから何か夕飯作っとくか。何も買ってこなくていいからと返信し、思い立ってキッチンへ向かったのだけど……。「こんばんは……って、宙さん! 大丈夫ですか!?」三時間後。インターホンを鳴らして出てきた宙が顔面蒼白でフラついている為、透夜は持っていた鞄を落として彼を支えた。「だ、大丈夫。何か飯作ろうと思ったんだけど、立ちくらみやばくて……」「無理しないで休んでてください。俺が代わりに作りますから!」透夜にベッドまで連れていかれ、寝かせられる。彼は上着を脱ぎ、袖を肘までまくった。「雨だからしんどいだろうと思って、一応インスタント系は買ってきたんですけど。夜は何を作る予定だったんですか? 引き継ぎます」「いや、疲れてるんだからいいよ。出前でもとろう」「でも……せっかく宙さんが途中まで作ってくれたから」彼は下に屈んで呟いた。一瞬、瞳の色が揺れて見えたが……すぐに顔を上げ、優しく微笑んだ。「大丈夫ですよ。俺、宙さんに会えて疲れなんか吹
Última actualización : 2026-09-11 Leer más