All Chapters of 20回目の婚姻届でも、彼はまた幼なじみを選んだ: Chapter 11

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第11話

5年ぶりに、私はこの街へ戻ってきた。両親もすっかり年を取り、最近では電話のたびに「そろそろ結婚は考えてないの?」と言うようになった。海外赴任も5年目に入り、会社から有休と特別休暇を合わせて2か月ほど休みをもらえた。久しぶりに、日本で両親とゆっくり過ごせる。荷物はいったん、昔伊織と暮らしていた、私名義のマンションへ運び込んだ。5年も留守にしていたはずなのに、室内は妙にきれいだった。誰かが掃除していたようにも見える。気のせいだろうか。そんなことを考えていると、すでにこちらへ向かっていた両親から電話が入った。【もう水凪中央駅に着くから、迎えに来て】車は使わず、タクシーで駅へ向かった。この5年間も、ビデオ通話では何度も両親の顔を見ていた。けれど、画面越しに見るのと、実際に会うのとでは全然違う。久しぶりに並んで歩いて、初めて気づいた。二人とも、本当に年を取ったんだ。そろそろ私も落ち着いたほうがいいのかもしれない。いっそ母に誰か紹介してもらおうかな。そんなことまで考えていたところへ、やけに堂々とした招かれざる客がやって来た。海外で仕事をするようになってから知り合った仕事仲間。理人だ。若くして会社を任されるほど仕事ができる。しかも実家も裕福だ。本人に言えば調子に乗りそうだけど、かなり恵まれた男だと思う。そして母は、そんな理人をひと目で気に入った。会ったばかりだというのに隣へ座らせ、仕事はどうだ、ちゃんと食べているのかと世話を焼いている。しまいには、「理人くんみたいな人が羽純のお婿さんになってくれたら、お母さん安心なんだけどねえ」などと言い出す始末だった。どう見ても、すっかりその気になっている。私は内心焦りながら、夕食が終わるのを待ち、理人の腕をつかんで外へ連れ出した。「ちょっと、それずるいでしょ。もう帰って」この5年間、理人には何度も気持ちを伝えられてきた。かなり熱心に口説かれたこともあれば、断ってもめげずに何度もアプローチしてきたこともある。それでも私は、過去のことを引きずったまま、なかなか次の恋に踏み出せずにいた。すると理人は、急に家のほうを向いて声を張り上げた。「お母さーん!娘さんに追い出されそうなんですけど!」「ちょっと!」母
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