ルイーゼはなんだか頭がぼんやりしていくのを感じていた。そして、曖昧な過去を回想するが無意味だと気が付く。嫉妬に駆られて嫌がらせをするなんて早まったかもしれない。冷静になれば、身分社会の中で、レイラは今帝国の最高位の女性だ。今は姉妹の上下関係も、生まれも関係ない。あるのは今、自分が帝国で最も尊ぶべき女性を侮辱してしまった罪。『安心してください。私は人は過ちを犯すけれど、成長し変われると思っています。国外追放にはしません。でも、貴女はネオラン侯爵夫人とアルトメに行きなさい』 女神のような声はレイラのものだろうか。 ルイーゼはレイラの異能の幻影の中にいた。 そこでは、ルイーゼと彼女の母親が複数の男とまぐわっている。 そんな過去はなかったはずなのに、自分と母は確かに男性関係が奔放だったからあったかもしれない現実だと思い始めた。(これは夢? 本当にあった事? 自分の事なのに神のような視点で回想しているような感覚) ネオラン侯爵の母と娘の醜聞がヴェライユ帝国中に広まる。(こんな過去もなかったとは思うけれど、あんな遊びをしたことがバレたら私は帝国にはいられないわ) 見たことのない風景の街に連れて来られる。 店の看板の文字を見て、そこが現在帝国領になっている元アルトメ王国だと理解した。 皆がルイーゼが歩く度に足を止めて彼女を見る。 そして、男たちが彼女にこっそりと恋文を渡してくる。『ルイーゼ嬢。アルトメに娼館はないんです。でも、娼婦と呼ばれる人は存在します。貴女やネオラン侯爵夫人のように誰とでも寝る女のことです。アルトメでは希少な存在です。アルトメに行けば自然と貴女の居場所ができますよ』 頭に響く声は透き通っていて美しい。(アルトメに行かなきゃ⋯⋯) スッと立ち上がりお茶会の場から立ち去るルイーゼに皆が呆気にとられる。 しかし、ルイーゼの頭の中はアルトメに行けば自分が楽になれるという思いに囚われていた。 彼女はずっと社交界を牛耳る立場であろうと無
Última actualización : 2026-10-01 Leer más