私は何度も動画を見かえした。一つ一つの写真をズームし、以前颯が私を愛してくれていた時の様子を見つめた。その時、玄関のドアが開いたと思うと、芽衣のカツカツというヒールの音が響いた。颯はいつものように屈んで彼女にピンクのウサギ耳がついた可愛らしいルームシューズをとって渡した。それは颯が彼女に買ってあげた芽衣専用だ。芽衣は靴を履きかえようと彼の肩を支えにして、足をあげた。その時足が彼の腕に触れ、二人の姿勢はかなり曖昧な雰囲気を漂わせていた。二人の様子を見ていると、ふいに以前のことが蘇ってきた。この間、出かけていた時に靴紐がほどけてしまい、私は甘えた声で彼に結んでと頼んだ。彼は振り返って、私をちらりと見た。「莉緒、お前さ、もう大人なんだから、そんな子供みたいなことを言うなよ」その言葉に私は恥ずかしくて顔が赤くなり、急いで屈んで靴紐を結び直すと、すぐに彼の後を追いかけた。でもあれは、私が子供っぽいと嫌っていたわけではなく、彼が大事に可愛がっていたのは私ではなかったからか。この時、芽衣が今ようやく私に気付いたかのように、こちらを見てきた。「あら、莉緒、家にいたんだね」芽衣はソファに座り、足を組んでローテーブルの上に置くと、すぐ傍にあったクッションをつかんだ。そのあまりに自然な動作に、ここはまるで彼女の家のようだと思った。ただ、この家にある全てのものは、私が颯と気持ちよく暮らせるように、吟味して選び抜いたものばかりだ。颯は薬箱を持って来ると、これはまた慣れた様子で芽衣の前に跪き、消毒液を綿棒に浸して彼女に塗ってあげた。芽衣は傷口にしみたのか、痛そうに眉をひそめて私のほうを向いた。「ねえ、莉緒。あなたってば颯みたいな彼氏によく耐えられるわよね。こんなかすり傷にも薬を塗るのよ。私がお酒を飲むのだってうるさく……」「あら、その人が私の彼氏だってこと、あなた知ってたんだ」私は芽衣の言葉を遮ると、顔をあげて彼女に微笑んだ。その言葉に芽衣は驚いていた。颯の手もその瞬間ピタリと動きを止めた。私は二人には気づかれないところで、ぎゅっと拳を握りしめた。あまりに力を込めていたため、爪が手のひらに食い込み、その痛みでどうにか冷静さを保っていられた。芽衣は不満そうな目つきで私を見てきた。「ちょっと莉緒、まさか私が颯に気が
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