Todos os capítulos de 二度目の人生、あなたの隣は彼女に譲ります: Capítulo 21

21 Capítulos

第21話

退院の日、文幸は片腕を三角巾で吊ったまま、もう片方の手で早百合と手を繋いでいた。早百合は知代の脚にしがみついて離れず、涙で顔をくしゃくしゃにして泣きじゃくっていた。「母さんも一緒に行こうよ。ねえ、母さんも一緒に帰ろう!」文幸はしゃがみこみ、無事な腕でそっと早百合を引き寄せて、抱き上げた。「早百合。母さんには、母さんの暮らしがあるんだ」それでも早百合は泣きながら、身をよじって知代のほうへ必死に手を伸ばした。知代はその場に立ったまま、ふたりを見つめていた。近づこうとも、遠ざかろうともしなかった。風が服の裾をなびかせる。知代は手を上げて、それを押さえた。文幸は早百合を抱いたまま背を向けて、数歩歩いてから、また立ち止まった。早百合を道端に下ろすと、遼の前まで歩いていった。ふたりの目が、一瞬合った。「知代のこと、頼む」文幸は言った。遼はうなずいただけで、それ以上は何も言わなかった。文幸はもう一度早百合を抱き上げ、村の入り口へ向かって歩き出した。早百合は父の肩越しに知代のほうへ小さな手を伸ばしていた。泣き声が、だんだん遠ざかっていく。文幸は振り返らなかった。一度振り返ったら、二度と前へ歩き出せなくなるような気がしたから。それからは、また静かな日々が戻ってきた。知代は毎日いつものように仕事を終えると、公民館へ行って子どもたちの勉強を見た。帳簿をつけるときは、相変わらずあの古い帳面を使い、字は変わらず、一画一画きちんと書いた。菊恵は、知代がまた少し痩せたと言ったが、顔色はよかった。遼も相変わらずだった。雨の日には傘を届けてくれる。知代が受け取って礼を言うと、彼はうなずいて去っていく。台所の棚には、ときどき魔法瓶が置かれていた。白湯はちゃんと入っていて、そばには胃薬と、いつ何錠飲むかを几帳面に書いた紙切れが添えてある。夜、知代が本を読むときには、裸電球のそばに小さな電気スタンドがひとつ増えていて、手元がずっと見やすくなった。ある日の夕方、ふたりは公民館で資料の整理を終えて外に出た。空はすでに薄暗くなりかけていた。遼がふいに足を止めて、彼女の名前を呼んだ。「知代」知代ははっとして、振り返った。「言っておきたいことがあります」遼は知代を見つめた。いつもよりゆっくりとした口調
Ler mais
ANTERIOR
123
ESCANEIE O CÓDIGO PARA LER NO APP
DMCA.com Protection Status