一瞬の沈黙のあと、喉の奥から漏れるような低い笑い声が返ってきた。「絶対に間に合う!」電話を切り、私は翔大の隣に座り直した。彼はスマホをいじりながら、新しく取った番号札を私に差し出した。「ほら、取り直したぞ。まだ前に5組もいる。咲子から『もうすぐ戻る』ってメッセージも来たし。大丈夫、どうあっても間に合うから」私が何か言いかけたそのとき、咲子がお手洗いから小走りに戻ってきて、勢いよく翔大の隣に腰を下ろした。彼にもたれかかりながら、首を伸ばして私の手元の番号札を覗き込んだ。「まだ順番来ない?あと何組?」私は思わず翔大を見た。彼は距離を取るどころか、咲子の腰に手を回し、倒れないように支えていた。「まだそんなに待つんだー。ねえ翔大、ゲームしようよ。ただ待つだけって退屈すぎる」私は口を挟んだ。「翔大、やめて。入籍なんてすぐ終わるって、自分で言ったでしょ?もう3組しかいないんだから、すぐ私たちの番になるわ」けれど咲子はもう自分のスマホを取り出し、ゲームを起動していた。にこにこしながらスマホの画面をこちらに向けて見せた。「依織、ゲームしない人にはわからないんだよ。1試合なんてあっという間だから、入籍の邪魔にはならないってば」そのまま翔大を急かす。「ほら翔大、早くログインして」翔大はうなずくと、私には投げやりに言った。「そんな大げさに考えるなよ、ただ紙出すだけだろ。番号呼ばれたらちゃんと教えてくれればいいから」言い終える頃にはもう、咲子と頭を寄せ合っていて、ゲームの効果音が立て続けに鳴り始めていた。ぴったりとくっついたふたりの頭を見つめながら、胸が締めつけられるように痛んだ。それ以上何も言わず、私は手にした番号札を、くしゃくしゃになるほど強く握りしめていた。20分と経たないうちに、待合ロビーに呼び出しの電子音が響いた。「9番の番号札をお持ちの方、窓口へお越しください」私は手を伸ばし、翔大を揺すった。「私たちの番よ、行こう」翔大の目はまだ画面に釘付けだったが、体はすでに立ち上がっていた。「おう、ちょうどこの試合も終わるとこだし」咲子がすかさず彼の腕にしがみつき、椅子に引き戻した。「まだだよ!ちゃんと集中してってば!座って真面目にやって。番号なんて何回か呼ば
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