オークション会場は華やかな雰囲気に包まれていた。クリスタルのシャンデリアの光が、所狭しと並ぶ宝飾品や美術品を照らし出し、あたり一面がまばゆく輝いている。脩平は会場の席に座り、エメラルドのネックレスに熱い視線を注いでいた。エメラルドは一粒一粒が美しく輝き、見る者の心の奥にある憧れを映し出すようだった。「1億」彼は手にしたパドルを掲げた。低く、迷いのない声だった。隣の洲人が小声で言う。「……これでもう72点目だぞ。本気でこんなに買うつもりか?」脩平はネックレスから目を離さないまま、どこか頑なな口調で答えた。「ああ、彼女には最高のものがふさわしい。これまで俺たちがあの子にしてやれなかった分、倍にして埋め合わせてやらなきゃならないんだ。それに、お前だって俺に負けないくらい買ってるじゃないか」洲人は、後ろに控えるスタッフが台車で運んでいる100点を超える落札品に目をやり、口元をほころばせた。「それもそうだな。俺の妹には、最高のものこそふさわしい」オークショニアの声が会場に響き渡る。「1億円!ほかにいらっしゃいませんか?……1億円で落札です!」落札したネックレスは美しいケースに収められ、脩平に手渡された。彼はそれを見下ろし、思わず期待のにじむ声でつぶやいた。「……喜んでくれるかな」洲人は彼の肩を軽く叩き、低い声で言った。「俺たちが贈るものなら、きっと喜んでくれるさ」ふたりはオークション会場をあとにすると、今度は街で指折りの高級百貨店へ車を走らせた。ショーウィンドウにはドレスや宝飾品、ブランド品が所狭しと並び、ふたりは次々と商品に目を留めた。「これはどうだ?」洲人が指さしたのは、純白のドレスだった。裾には小さなダイヤモンドがちりばめられ、まるで天の川が降り注いだようだった。脩平は満足げにうなずいた。「あの子によく似合いそうだ」店員が微笑みながらドレスを手に取り、丁寧に包んでいく。洲人は隣のジュエリーカウンターも指さした。「あそこのイヤリングとネックレスも一緒に頼む」脩平は反対せず、ただ小さく付け加えた。「普段着も何着か選ぼう。あんまり派手なのは好きじゃないかもしれないからな」ふたりは丸1日かけて百貨店を歩き回り、大小さまざまな箱をいくつも抱えていた。どれも心を込めて選ん
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