Tous les chapitres de : Chapitre 11 - Chapitre 12

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4-2

 その日、テオが案内してきた男は、色は地味だが非常に仕立ての良い服を着ていた。 背丈はテオよりも大きく、肩幅があり、背筋が真っ直ぐに伸びた……まるで軍人のような人物だ。「あれ、誰だ?」「中央から、花嫁を輿入れさせるための視察かなにかか……?」 離れた場所でヒソヒソと、兵士や傭兵たちが囁いている。「あー、みんな、集まってくれ」 修練場の台に立ったテオが言った。「こちらは、あー……、アーサ=ソール殿だ。親しくアーサー様と呼んでやってくれ。皆、失礼のないように!」 テオは、それしか言わなかった。 が、その〝失礼のないように〟の一言で、場に居る者は、それが件の〝花嫁〟であると察した。「テオ様!」 エルドが挙手をする。「なんだ?」「華燭の典は、いつですか?」「あ〜、半年……か一年後だ!」「ずいぶん、先ですね」「貴族の場合、招く客とかの都合もあるし、用意も大変だから、時間掛かるんだよ……」 ざわざわと、波紋のように囁き声が広がる。「とにかく! くれぐれもよろしく頼むぞ」「はい、閣下!」 全員が、特に命もないのに敬礼をした。 正規の兵も、傭兵も、分け隔てなく気を配るテオに、全員が礼を示したのだ。「じゃあ、今後ともよろしくな」 皆の礼に礼を返し、テオはアーティを連れて修練場から去っていった。「あのデカイのが、オメガ……?」「しかも……、笑みの一つもない」「当たり前だ。中央から辺境に送られて、不満紛々なんだろうさ」 ざわめきの中、アンディとエルドは顔を見合わせる。「あれが……奥方様……?」「冗談じゃない! 俺は認
last updateDernière mise à jour : 2026-11-07
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4-3

 テオは、アーティを執務室に連れて戻った。「ここが執務室」「テオ様の仕事場ですね」「ん〜、まぁ、それはそうなんだけど……」 窓辺へ寄り、テオはバルコニーに続く窓を開ける。「俺の仕事は、あそこに見える黒の森から、魔物を溢れさせないことが第一だ」 バルコニーの先には城下町が広がり、街を囲う城壁がある。 そしてその向こうに、不気味に沈んだ黒の森が広がっていた。「書類仕事はあるが、いわゆる〝領地経営〟のような用向きはほぼない。辺境は税金は全面免除されている。そもそも作物らしい作物は育たないからな」「どうやって、暮らし向きを立てているのですか?」「魔獣から取れる魔石、黒の森に生える特殊な薬草、それらを穀物と物々交換だ。あとは、この土地でギリギリ育つ根菜と魔物肉で食いつないでいる」 手すりに寄り掛かり、テオは振り返る。 アーティは、素直な驚きを顔に表したまま、遠くに見える黒の森を眺めていた。「防護壁が、森の瘴気を完全に防いでいる。ここいら一帯は、まぁ、安全地帯だ。俺とフェンリル騎士団は、定期的に森に入って魔物を間引く」「どれくらいの頻度で森に?」「森の瘴気の濃度が高まったら……だが……。まぁ、年に三回から四回程度、一週間ほどだな」「一週間も、森で過ごすのですか?」「浅層の魔物を一掃しないと意味がないからな。精鋭だけで行って帰るだけなら三日もありゃ足りるが、騎士団全部で雑魚まで狩るとなると、それぐらいの時間は必要になる」 テオはアーティを促して、執務室に戻った。 そこにはスコルが居て、二人のためにお茶を用意してくれている。「冷えてないか?」「大丈夫です」「瘴気の所為で、ここら一帯は気温があまり上がらない。日中で、日当たりの良い場所に居ても、体の芯が冷えることがあるから、服は厚着を心がけたほうがいいだろう」 ソファに座ったアーティに、スコルが肩掛けを掛けた。「おそれい
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