「お互い様」のニュアンスを英語で表現するのは本当に難しいよね。直接的な訳語がないから、状況に応じて使い分ける必要がある。例えば、誰かに助けてもらった後に「You scratch my back, I'll scratch yours」と言えば、互恵関係を強調できる。でもこの表現は少しビジネスライクで、日本語の温かみとは違う気がする。
文化の違いが面白いのは、英語圏では『give and take』のような契約的な考え方がある一方、日本の『お互い様』には共同体意識が根付いている点。東北の震災の時、被災者同士が「お互い様だから」と支え合っていたエピソードを思い出す。英語の『We're in this together』は近いけど、長年の隣人付き合いから生まれる深い相互理解までは表現しきれない。
個人的には、スタジオジブリの『千と千尋の神隠し』で湯屋の働き鬼たちが助け合うシーンこそ、『お互い様』の本質を表していると思う。英語字幕では『We help each other out』と訳されていたけど、あのゆるやかな絆のニュアンスまでは伝わらないもどかしさがある。