1万円の愛大雪の日、私は道端で換金できそうな不用品を拾っていたところ、婚約者と一緒にダイヤモンドの指輪を買いに行く元夫に出会った。
彼はオーダーメイドのコートを着ている。それに対して、私はボロボロの綿のコートを着て、手には古いバッグを提げている。
婚約者に気前の良さを見せつけるために、彼はわざと一枚のコインを私のバッグに投げようとしたが、地面に落ちた。
「これを持ってさっさと消えろ!目障りだ。
結葉、お前のこんな貧乏くさい格好、本当に気持ち悪い」
私は腰をかがめてそのコインを拾い、上についている泥を丁寧に拭き取った。
「ありがとう、あと一枚でちょうどいいね」
そのコインがあれば、バスに乗って海辺へ行き、このすべてを終わらせるのにちょうど良い。