昔の笑顔、遠くなりし夢椎名育也(しいな いくや)と結婚した望月絵里(もちづき えり)は、お嬢様生活を捨て、夫と息子のために全てを捧げてきた。
だが、どれだけ尽くしても報われることはなく、むしろ犬扱い。
最期の瞬間に、絵里が聞こえたのは息子の歓声──「やった!ママ死んだ!これでやっと颯花さんを堂々と迎えられるのだ!」
絵里はようやく悟った──いわゆる「真心には真心が返る」なんて、まったくの嘘だった!
生まれ変わった絵里が、冷ややかな夫と息子、そして図々しい顔をしている夫の幼馴染・小林颯花(こばやし さやか)を見つめ、にやついて宣言した。
「椎名家夫人の身分も、旦那も息子も、全部譲るわ」
そう言って、財産も要らず、さっぱり離婚。夫も息子も、もうこりごりだった!