メタファーの扱い方が原作とアニメで大きく違うんですよね。小説では「
鳥かご」が繰り返し登場する象徴的なモチーフですが、アニメではこれを実際の小鳥の映像と、主人公の表情の変化で表現しています。
セリフの省略も目立ちます。小説では3ページにわたる会話が、アニメでは一瞬の視線交換に凝縮されていたり。逆に、原作では一言で済ませていた情景描写が、アニメでは何秒間もかけてゆっくり映し出されることも。
一番驚いたのは、主人公の家庭環境の描き方。小説では暗に示されていただけの事情が、アニメでは回想シーンとして具体的に描かれ、キャラクターの行動原理がより明確になっていました。このあたりは、それぞれのメディアの長所を活かした改変だと思います。