ゲームのストーリーでも『哀れ』は巧妙に利用されています。『NieR:Automata』のエンディングや、『FINAL FANTASY XIV』のシャドウブリング達の物語では、プレイヤーは敵対する存在の本質を知ることで感情が大きく揺さぶられます。最初は敵として認識していたキャラクターの背景や真実が明らかになるにつれ、単純な敵対感情では収まりきらない複雑な感情が生まれます。
最近読んだ中で特に印象に残っているのは、'No Game No Life'のシュヴィと白の関係を深掘りしたファンフィクションです。元々はライバルとして火花を散らす関係だったのが、徐々に互いの才能を認め合い、やがて複雑な感情へと発展していく過程が丁寧に描かれていました。特に白の内面の変化が繊細で、ゲームを通じて相手を理解していく様子に引き込まれました。
この作品の素晴らしい点は、敵対関係の緊張感を保ちつつ、微妙な距離感の変化を自然に表現しているところです。最初は言葉少なだった白が、少しずつ心を開いていく描写は胸に迫るものがありました。作者の筆致が二人の心理描写に長けており、感情の揺れが手に取るように伝わってきます。