囚われの愛は哀れみ半分父が亡くなった後、海外で育てられていた隠し子の白石まどか(しらいし まどか)がすぐさま帰国して、私・水原美寧(みずはら みね)から旧邸を奪おうとした。
私は本妻の一人娘で、遺言書まである。
それでも旧邸を守ることはできなかった。
なぜなら私の婚約者で、北都で権勢を誇る桐谷言(きりたに こと)が、どうしてもまどかの味方をして私と敵対しようとしたからだ。
彼は車椅子に座るまどかを背後に庇い、苛立たしげに私を諭した。
「俺が渡した金で、同じような屋敷は何軒も買えるだろう。お前には思いやりというものがないのか?体が不自由な相手に何を争ってるんだ!」
私は受け入れがたい思いで訴えた。
「争う?あれは母が私に残してくれた唯一の遺産なのよ!」
その後、言はやはりまどかの訴訟が勝つための手助けをした。
彼は少し申し訳なさそうに、泣き腫らした私の目を見て言った。
「美寧、これからは埋め合わせをするから」
でも私は思った。私たちに、これからなんてない。