ストーリーの核心に『横着』という概念が織り込まれた作品なら、『ハリー・ポッター』の「Methods of Rationality」が思い浮かぶ。主人公のハリーが魔法を科学的に分析し、効率的に習得しようとする姿勢は、ある種の合理的な怠惰と言える。
このファンフィクションでは、従来の努力至上主義ではなく、最小限の労力で最大の効果を得る思考が物語を駆動する。例えば、時間変換器を利用したループ戦術や、魔法の物理法則への応用が顕著だ。
面白いのは、この『賢い横着さ』が結果的に伝統的な魔法界への挑戦になり、価値観の衝突を生む点。効率追求が皮肉にもより複雑な事態を招く展開は、読者に考えさせる余白を与えている。