学園を支配する悪役令息のはずなのに、天使のような平民にわからせられ続けています

学園を支配する悪役令息のはずなのに、天使のような平民にわからせられ続けています

last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-12-03
โดย:  悠・A・ロッサจบแล้ว
ภาษา: Japanese
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傲慢な令息と、天使のような新入生。 わからせる側と、わからされる側。 その境界が溶けていくとき、支配は愛に変わる。 プライドと支配を奪われ、逆転関係へと堕ちていく―― 学園支配者のわからせられBL。 やがて、それは両片思いの溺愛へと変わっていく。

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บทที่ 1

第1話 学園を支配する悪役令息、平民にわからせられる

 俺は、レオン・ヴァレンタイン。

 聖ルミナス魔導学園の支配者──いや、正確にはこの国の貴族たちが通う、世界屈指の名門魔導学園を支配する「黒き獅子」と呼ばれてきた。

 教師でさえ、俺の一言で配置が変わる。

 朝の食堂の献立から、夜の魔導演習の順番まで。

 この学園は──俺の手のひらで回っている。 それが当たり前だった。

 貴族であることにあぐらをかいていたわけじゃない。俺は誰よりも勉強し、誰よりも魔導を極め、誰よりも人を支配することに誇りを持ってきた。実力の伴わない権威など意味がない──だからこそ俺は、誰にも隙を見せず、いつも完璧であろうとしてきた。

 模擬戦では三年連続で主席。魔法理論の論文はすでに王立魔導学会に所蔵され、数十の貴族派閥が俺を中心に結びついている。

 笑われたことなど一度もない。

 膝をつかせてきたのは、他人のほうだ。

 なのに、黒髪の新入生──ハル・アマネが現れてから、胸の奥がざわついて仕方がない。彼は平民奨学生。ただの庶民のはずだったのに、あの笑顔ひとつで、俺が築いた支配を崩しつつある。教師たちは彼に好意的になり、女生徒たちは彼に夢中になり、貴族の息子たちですら彼の言葉に耳を傾ける。わずか一ヶ月で、学園の空気は半分、彼のものになってしまった。

 「天使」なんて呼ばれているが、俺には毒にしか見えない。……いや、本当は最初からわかっていた。あいつは毒だ。

 だからこそ、惹かれてしまう自分がいる。

 いや、そんなはずはない、気のせいだ――

 入学式の日、講堂のステージに立つハルを初めて見たとき、時間が止まった。

 俺が審査したわけでもないのに、平民の少年が学園に入ったというだけで腹立たしい知らせだった。

 だが、黒髪が光を弾き、透明な肌と笑顔がステンドグラスの光を浴びるその姿は、天使の降臨にしか見えなかった。

 胸の奥が、不本意に熱くなる。

 視線を外したいのに外せない。

 心臓がうるさくて、指先が痺れた。

(なんだ、この感覚は。苛立ちか、それとも──惹かれている?)

「音楽室に呼び出せ」

 俺はわざと冷たい声で命じた。

 脅して、ビビらせて、あの天使の笑顔とやらを大人しくさせる──そのつもりだった。

 本気で体を傷つける気はない。

 ただ、あの綺麗な顔からプライドだけを剥ぎ取ってやりたかった。

 それなのに──。

 旧校舎の音楽室。湿った木材の匂いが、埃とともに鼻腔にまとわりつく。

 窓から差し込む月光が、黒光りしたピアノの表面を鈍く照らしていた。

 俺はそのピアノにもたれ、肘をついたまま眺めている。

 部屋の中央では、平民の少年──ハル・アマネが、制服の襟を乱されながら立たされていた。

 サミュエルとギルが、そいつの腕と肩を押さえ込んでいる。

 ノアが襟をつかみ、顎を無理に引き上げさせた。

 白く細い喉が月光に浮かび上がるたび、胸の奥が妙にざわつく。

 ……ちっ、平民のくせに。なんだよ、このざわつきは。

「天使だと? 笑わせんな、ハル・アマネ」

 ノアが冷ややかに嗤う。声には、貴族らしい品格にまぎれた毒が滲んでいた。

「どこの下郎に尻尾振って、この学園に這い上がってきたんだ? その清純ぶった顔が涙で歪むとこ、じっくり味わってやりたいね」

 その言葉に反応するように、ハルの瞳がわずかに鋭く光る。

 けど、ノアの指が襟から首筋へと滑り、まるで高価な磁器でも試すみたいに、軽く圧をかける。

 ハルの華奢な肩が小さく跳ね、月光に照らされた肌の白さがいやに目につく。

「おや、ハル君」

 サミュエルが冷笑を浮かべた。

「平民にしては、ずいぶんと肌が滑らかだ。処女? それとも、誰かに可愛がられた後かな?」

 ギルがしゃがんで、ハルの顎を指で持ち上げる。

「抵抗しても無駄だよ」

 声音はねっとりと絡みつくようで、ぞっとするほど静かだった。

「こんな場所に迷い込んだ平民が、俺たちの遊び相手にならないわけがない。……どんな声で鳴くのか、試してみようか」

 俺は部屋の隅、古いピアノに肘を預けてその様子を眺める。

 口元には貴族らしい余裕の微笑を貼りつけているが、内心、ハルの顔立ちの良さと、震える喉元が引っかかって仕方ない。

「ふん、お前たち。ずいぶん楽しそうだな」

 一歩前に出て、ハルの顔を覗き込む。……近い。

 平民のくせに、その目の奥に何か、底が見えない気配がある。

 引きずり込まれそうな、得体の知れない何かが。

「この平民、確かに悪くはない体してるな。処女かどうかなんて……試してみりゃ、すぐ分かるだろ」

 軽薄な笑いを浮かべてみせたつもりだったが、声の端が掠れているのが、自分でもわかった。なんでだ。なんで、こいつから目が離せねぇ。

 ハルの唇が微かに動いた気がして、俺の指が無意識にそいつの顎に伸びそうになる。

「なぁ、ハル。薄汚い出自は忘れてさ……いい子にしてみろよ」

 囁くように言いながら、わずかに笑う。

「それとも──俺だけでいい、なんて言ってみるか?」

 冷たい皮肉のつもりだったのに、喉の奥が熱い。

 口にした言葉はたしかに冷ややかだった。けど、吐き出すたびに、自分の内側に熱がこもっていくのが分かる。

 くそ、何が平民だ。なんで俺が、こんな……。

 その瞬間だった。

 ハルがふわりと微笑んだ──と、思った刹那、いつのまにかサミュエルとギルの拘束を解いた腕が、俺の首筋に回され、強引に顔を引き寄せられた。

 そして、唇が触れた。

 軽いものじゃなかった。驚くほど、濃くて深くて、熱いキスだった。

 舌がすぐに割り込んできて、歯の裏を撫で、上顎をくすぐり、俺の舌を絡め取る。

 「──っ……」

 腰が抜けそうになる。目の奥が痺れ、頭が真っ白になる。

 ただ唇が重なるだけじゃない。内側をまさぐられ、息を奪われ、逃げ場を塞がれていく。

 音がする。ぴちゃっ、くちゅ……と、生々しい音が、俺たちの口のあいだから零れた。

 理性が、じわじわと溶けていく。

 ──俺は、たしかに今、口で犯されている。

「……レオン。とろけそうな顔して」

 低く囁く声が、耳の奥に溶けた。

 唇を離したハルの瞳が、まるで何かを見透かすように笑う。

 その笑顔を、俺は一生忘れない。

 ──あの瞬間からだ。

 黒き獅子が、天使に堕とされ始めたのは。

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第1話 学園を支配する悪役令息、平民にわからせられる
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last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-10-27
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第2話 祭壇の上で
 唇が離れた瞬間、そこだけがまだ熱を帯びていた。  濡れた唇がひく、と名残惜しげに震え、息がまともに吸えない。  ようやく呼吸を取り戻し、肩で息をしながら、俺はハルを見返した。    ハルは、うっすらと笑ったまま、自分の唇をぺろりと舐めた。  それが、あまりにも淫靡で、背筋がぞわりと震える。「レオンくん……キス、下手なんだね」 耳の奥で、爆ぜるような音がした。「……っ、ふざけんな……」 思わず吐き捨てた俺の声は、完全に掠れていた。 ハルは目を伏せ、いたずらっぽく笑ってから──わざと、俺の視線を外した。  もう、興味を失ったみたいに。 自分でもわかっていた。これは脅しだ。形だけだ。それを知っているのか、ハルは怯えず、笑っていた。その瞳は、獲物を狩る直前の獣のような残忍な光を持っていた。「レオンくん、僕を脅して辱めようだなんて……悪い子だね?」「レオン様、もう貴方に従う理由はありません」  ギルまで目を伏せ、ハルに視線を送る。 ノアが俺の襟を掴み、低く囁いた。 「すみません……レオン様。僕はもう、ハル様に逆らえない……」「なっ……」 頭が真っ白になった。  俺が仕組んだはずの場面が、いつの間にか、俺自身を追い詰める舞台になっている。 いつのまにか、ノアに片腕をつかまれていた。振り払おうとすれば、背後からサミュエルが回り込み、もう片方の腕を押さえつける。両手が広げられたまま固定され、逃げ場を失った。「ちょ、やめ──っ」 膝が折れかけた瞬間、ギルが前に回り込んで、俺の脚を膝ごと制圧するように押さえ込んだ。立ったまま、三方向から押さえつけられ、自由が利かない。胸が詰まり、汗がにじむ。 後ろには──ピアノ。  古びた木目のその天板に、背中がぶつかる。きしむような音がした。 逃げられない。身体が、逃げ道をなくしていく。「……っ放せ!」 声を荒げても、誰も動じない。  ハルは無言のまま、ゆっくりとこちらに歩み寄ってくる。  視線が合う。ほぼ同じ高さ──立っている彼の目線が、ぴたりと重なる。 ハルが俺の顎をそっと掴んだ。 「君が僕をレイプするつもりだったなら、今度は僕が君を捕まえる番だよ」 吐息が首筋を撫でるたび、さっきの香りが頭の奥を痺れさせる。逃げなきゃと思うのに、身体が言うことをきかない
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-11-01
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第3話 天使の指先、獅子の絶頂
 俺の奥で、何かが崩れた音がした。 プライドか、恐怖か、それとも別の何かか。 ハルがすっと身を離し、ノアに視線を投げた。「下を脱がせて」と、静かだが有無を言わさぬ口調で命じる。 ノアは一瞬目を細め、唇の端に欲を滲ませた笑みを浮かべると、ゆっくりと俺のズボンに手を伸ばす。その指先が布を滑り落とすたび、俺の肌に冷たい空気が触れる。「くそ、殺すぞ……!」 低く唸るように声を上げ、握り潰した拳が震える。 だが、手足は拘束されていて動かすことはできない。 部屋にいる全員の視線が、まるで獲物を値踏みするように俺に絡みつく。 ノアの目は特に鋭く、欲望と嘲りが混じった光を帯び、俺の剥き出しになった肌を這うように見つめる。 ハルの視線は冷たく、どこか計算高く、俺の反応を観察しているようだ。 ハルがポケットから小瓶を取り出した。淡い香りのする液体を、指にたっぷりと馴染ませる。その仕草だけが、唯一の優しさのように見えて、逆に胸の奥を締めつける。「初めてなんだから、ちゃんと用意してあげないとね」 そう言って、潤滑に濡れた指が、俺の奥へゆっくりと入り込む。押し広げられる感覚に、胃が締め付けられるような吐き気を覚える。 気持ち悪いはずだ――こんな異物が身体に入ってくるなんて、耐え難いはずなのに。 だが、指が内壁を擦り、優しく円を描くたび、身体が勝手にビクンと跳ねる。 羞恥と快感の境目が溶け合い、頭の中が白く濁っていく。 そして、ハルの指がさらに奥、感じたことのない一点に触れ、ゆっくりと撫で上げられた途端、目の前がちかちかと明滅する。電流のような衝撃が背筋を駆け抜け、意識が一瞬飛ぶような感覚に襲われる。「や……め……っ、あっ……♡」 奥の奥まで掻き回されるたび、身体が裏切るように熱を帯び、俺の意志とは無関係に反応してしまう。 気持ち悪いはずが、どこかで抗えない甘さが広がっていく。「嘘……だろ……俺が……こんな……っ」 絞り出すような声が漏れる。 片目から涙がひと筋、勝手にこぼれた。 拭おうともしない。拭けなかった。 屈辱で顔が焼ける。 泣いていることにすら気づかないほど、悔しくて、惨めだった。「あ……ん♡」 さらに中をかき回されて、口から洩れた自分の声に、自分が一番驚いた。「可愛い」  ハルが、確かにそう呟く。指で俺の頬を撫で、涙を舌
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-11-02
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第4話 夜を侵す者
 聖ルミナス魔導学園。  この場所は、俺の庭であり、王国の縮図だ。 授業の順番、演習の人員、教師の配置──すべて俺の意向で決まる。  それが常識だった。誰も逆らわない。逆らえるはずがない。 ……はずだった。「ハル・アマネ君の論文、なかなか興味深いね。平民でこれだけ書けるとは」  魔導理論の講義で、教師が笑顔を見せた瞬間、俺は握りしめた羽ペンを折りそうになった。  教師が生徒にへりくだるなど、本来ありえない。しかも平民相手に、だ。「すごいわ、ハル様。今度、その考え方を教えてくださいませ!」  廊下では女生徒たちが群がり、きゃあきゃあと声を上げている。  ハルはそれを嫌な顔ひとつせず、微笑みで受け流していた。 その光景を横目に通り過ぎようとした俺に、声がかかる。 「レオン様、ご機嫌よう」 「……ああ」  軽く頷いた俺の後ろで、同じ貴族の子息たちがひそひそと囁いた。「最近は、ハル殿と話すのが楽しみでしてね」 「ええ、実に気さくな方だ」 ……俺に声をかけるのは礼儀として。  だが、目が向いているのは別の方向。  俺の存在が霞むなど、以前なら考えられなかった。 そして決定的だったのは、昼食時の食堂だった。 「メニューは、こちらの新提案に従って一部改訂します」  そう告げたのは、学園理事会の役員。俺が選んだはずの献立は、いつの間にか差し替えられていた。  理由を聞けば──「ハル・アマネ君の意見が非常に合理的で」だと。「……ふざけるな」  声が漏れた。だが、誰も振り向かない。  かつて俺の一言で震えていた教師たちは、いまやあいつの言葉を待ち望んでいる。 苛立ちが胃を焼く。  俺の支配は確かに崩れつつある。  平民のくせに。黒髪の小僧の笑顔ひとつで。 ……許せるはずが、ない。*** 夜の図書室は静まり返り、ページをめくる音すら響かない。  高い天井から吊られたランプの淡い光が、棚に積まれた本の影を長く落としていた。  俺は魔導理論書を開いていた。だが、文字は頭に入ってこない。  視界の端に黒髪がちらつくたび、胸の奥がざわついて仕方がない。「こんな時間まで勉強? 真面目だね、レオンくん」  ハルが軽やかな声で笑った。 その声音は耳に心地よいはずなのに、俺には棘のように突き刺さる。  苛立ちを込めて睨み返す
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第5話 二周目の執着
 ハルは回廊の影から、レオンの姿を見ていた。 中庭で貴族の子息たちに声をかけられ、彼は当然のように「ああ」と頷く。 風が吹き抜け、制服の裾を揺らす。陽光の下でも、その立ち姿だけがどこか冷たい。 その場の笑いがわずかに彼を外して広がるのを、彼自身もわかっているのだろう。 ふと顔を上げ、遠くのこちらを睨むように見る。 視線が絡んで──そして、レオンが先に視線を逸らした。 彼の反応は、すべてわかっている。 図書室で本を抱えたまま、ビクッと肩を揺らし、頬を染めて息をあげるあの瞬間も。 指先が震えて、視線が泳ぐ。 その全部が、僕にとっては愛おしいサインだ。 一周目の君は、もっと素直だった。 夜、僕の胸に顔を埋めて、何度も「愛してる」と囁き、震える身体を預けてきた。 でも、僕を庇って死んだ。 その瞬間の姿が、今でも網膜に焼き付いて離れない。 血の匂いと、崩れていく身体の温もり。 僕の名前を最後に呼んで、息を引き取った君を、忘れられるはずがない。 だから、やり直した。二周目に来た。 学園の派閥も、教師の癖も、全部知っている。 君がどこで弱り、どこで強がるかも、もう全部わかっている。 攻略なんて簡単だ。けれど、同じ道を辿らせるつもりはない。 本当は今すぐにでも言ってしまいたい。 「二周目だ」「君を守る」「僕は君が欲しい」と。 だが、それでは駄目だ。 あの日のように君が僕を守ろうとすれば、また同じ結末になる。 だから、教えない。 わざと追い詰めて、泣かせて、壊れるまで焦らす。 君が僕なしでは立っていられないほどになって、ようやく守れる。 それが僕の答えだ。 矛盾している? そうかもしれない。 でも、壊れそうな君は、最高に美しい。 顎を掴んで震えさせた時も、鎖骨をなぞった時も──可愛くて仕方がなかった。 本当は、取り巻き達が見ている中で君を犯し、僕に堕ちていく顔を刻み付けたかった。 だから今も、強がって睨んでくるその姿すら愛しい。 どうせ最後は僕の腕の中に帰ってくる。 今度こそ、失わない。絶対に。*** 放課後。 俺は一人、図書室に向かって廊下を歩いていた。 突然、背後から肩を押され、狭い物陰へと引きずり込まれる。 視界の端で顔を確認した瞬間、それがノアであり、さらに両脇にサミュエルとギルの姿を認めた時、血
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第6話 思い出すまで、壊してあげる
「……へぇ」 一瞬、ぴりっとした怒りの波動が走った気がした。  だがハルは何も言わず、ただ静かに俺達を見つめていた。 黒髪の影を認めた瞬間、三人の空気が変わった。  ノアは舌打ちし、「……チッ、来やがったか」と強がるように笑う。  サミュエルは息を呑み、声も出せずに視線を伏せる。  ギルは肩を震わせながらも、俺の体から未練がましく目を逸らせなかった。 だが、ハルは三人には何も言わず、俺に向かってただ静かに声を落とす。「レオン。助けてほしいなら、僕の庇護のもとに入るか。あるいは、このまま見過ごすか。どっちがいい?」 選択肢を突きつけられ、心が揺らぐ。  屈辱と恐怖と吐き気がないまぜになる。答えられずにいる間に、ノアの手が下腹部を撫で回した。「なぁレオン。あんなにハルの悪口言ってたよな? 今さら格好つけるなよ。俺たちの仲だ、俺たちに可愛がられる方がいいだろ。……ほら、感じてんじゃねぇの?」 下腹部をぞっとするほどいやらしく撫でられ、全身に鳥肌が立つ。吐き気が込み上げる。「……気持ち悪い、触るな……っ」 だけど身体は拘束されて、動かせない。「君が選びたくないなら、構わないけど」 ハルが踵を返しかける。 絶望が喉を塞ぎ、気づけば声が零れていた。 「待て……っ……ハル、助けて」 自分でも驚くほど、切実な声だった。*** ハルは無言のまま歩み寄り、ノアたちを冷たく見下ろした。  教室の片隅、誰もいない狭い空間に、ただ一人、王のような威圧が立ち込める。「……わかったよ。じゃあ、君たちは消えて?」  淡々とした声音。だが、その響きは容赦がなかった。「でも──」  ノアが言いかけた瞬間、ハルの瞳がすっと細められる。「僕がキレないうちに、早く散れ」 一瞬、空気が弾けるような緊張に包まれた。  何かが出たわけではない。ただ、それだけで十分だった。 ノアが舌打ちを噛み殺し、歯を食いしばる。 「……チッ、逃げ切れると思うなよ」 俺にそう捨て台詞を吐いて立ち去る。  サミュエルは無言のまま視線を伏せ、ギルも未練がましく俺を見やったが、結局は何も言わず、後に続いた。 静寂が落ちる。 拘束が解かれ、床に膝をついた俺は、乱れた呼吸を整えるので精一杯だった。「……感謝する」  やっとの思いで絞り出した声は、かすれて
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第7話 赦しの夜
 昼下がりの校庭。白い石畳の上、緑の芝を背景に並んで歩くハル・アマネと俺は、まるで学園の象徴みたいに囁かれていた。「黒き獅子と天使」「至宝のペア」「王道と奇跡の組み合わせ」──そんな呼び名まで勝手につけられて。 あれは、ハルが俺を「庇護下に置く」と宣言して数日のことだった。 学園には形式的にバディ制度と呼ばれる仕組みがある。異なる出自、異なる能力の者同士をあえて組ませることで、魔導的適性や社会性のバランスを見るという試みだ。 本来は推薦制か、教師の指名で決定されるはずだったが──ハルは突然、その制度の中で俺を指名してきた。「レオンくんを、僕のバディに選びます」 その場に居合わせた教師たちは一瞬静まり返り──そして、なぜか誰一人としてそれを否定しなかった。まるで、それが当然のように。 そして数日後には、教師陣の会話の中に「バディ制度の活用例として優秀」「相互補完性が高い」と、理論武装された理由が溶け込み、気づけば俺はハルと行動を共にするようになっていた。 驚くべきはそれだけではない。 俺ですら手を焼いた寮の部屋割り──あの忌々しい名簿を、ハルは数日のうちに塗り替えた。「バディ同室の原則って、あるよね? 君と僕の組み合わせ、模擬戦でも好成績だったから。だから、これで手続きは通るはず」 そう言って、あの涼しい顔で寮監に書類を突きつけたハルを、今でも忘れられない。 夜になれば、二人は寮の同じ部屋に帰る。豪奢な二人部屋。 そして、俺は心のどこかでずっと覚悟を決めていた。「次はベッドの上で、もっと深く、わからせてあげるから」その言葉を聞いてから、ずっとそうなるんじゃないかと思っていた。怖かった。でも、同時に期待していた。あのとき身体の芯に残った熱と、囁き声の甘さと、強引な指先の感触が、脳裏に焼きついて離れない。 夜──部屋に二人きりになるたび、俺は身構えていた。 次は来る。今夜こそ、抱かれる。 そのつもりで、身体に力を入れて、いつでも備えていた。 ……なのに。 一週間、二週間……気づけば、一か月と一週間が過ぎていた。 ハルは毎晩ただ「おやすみ」と微笑んで、ベッドに入るだけ。背を向け、何もせず、触れもしない。 レオン・ヴァレンタイン、黒き獅子とまで呼ばれた俺が、夜ごと自分の心臓の音に苛まれ、ハルが寝息を立てる横でただ目を閉じる。(なんなん
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-11-06
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第8話 あの子に似てると言われた夜
「前を触ってないのに、出ちゃった。……レオン、感じすぎだよ」「っ……ちが……っ……や、あっ……っ……♡」 恥ずかしさと快楽が混ざって、涙がにじむ。  でも、ハルの指はまだ止まらない。まだ、奥の一番深いところを撫でながら、声を落として囁く。「まだ、欲しいんだよね……レオン」「……っ、い、って……ない……!」「言わなくても、わかるよ。だって……ずっとこんなに、可愛く震えてる」(やめろ、そんなの、言うな……っ) (でも……っ、本当は……欲しくてたまらない) 快楽に塗れたまま、身体はビクビクと震え続ける。  それでも、ハルの指はまだ奥でじんわりと動いている。  ひくひくと痺れる後ろを撫でながら、困ったように笑った。「……もう、限界かな。僕も、もう我慢できないや」「全部、あげるよ。でも……今は、身体だけ、ね」 こいつは俺の返事なんて待たない。  熱が、ぬるりと触れてきた。(──え、まさか……っ)「……入れるよ、レオン」「や、待っ……まだ……っ、あ、ああっ……♡」  ゆっくりと、でも確実に、ハルが入り込んでくる。  初めて貫かれる感覚に、思わず爪先まで震えが走った。(っ……なんだ、これ……腹の奥、きゅって……) 足の爪が丸まる。無意識に力が入ってしまうのを、どうにもできない。 「……大丈夫、力抜いて。ゆっくり、ね」 低くて優しい声が、耳の奥に響く。  なのに身体は全然言うことを聞かなくて── 「っ……う、っ……あ、や……♡ ぅ、あぁっ……♡」 押し広げられるたびに、びくんと腰が跳ねる。  熱くて、苦しくて、それなのに奥の方がじんわり疼いてくる。  腰を引きたくても、ハルの手がしっかりと抱え込んでいて逃げられない。(なんで、こんな……っ……屈辱のはずなのに……きもちよすぎる……♡) (もう……何も……考えられない……♡)「……っ、く……すご……っ、これ……変な……♡」「レオン……やっぱり、可愛い。全部、受け入れてくれるんだね……でも……身体だけ、だよ」(……そんなの……わかってる。なのに……なんでこんな気持ちに……) 少しずつ奥まで沈んでくる熱。  きゅう、と締まったところに、じわりと圧がかかる。「入った……レオンの、いちばん奥まで……」「っ……ぁ、あっ……んっ、く……♡」 ぬくもりが、ぐっと奥まで届
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第9話 息もできないほど、深く、深く
 その夜から。 ハルの俺に対する態度は、また変わった気がする。 それに気づいたのは、王城主催の招待式典のときだった。侯爵家の嫡男として、完璧な立ち居振る舞いを求められる場は、いつも以上に気を張る。背筋は伸び、手の動きも一分の隙もなく。そんなときだった。俺の肩にそっと触れて、ハルが微笑んだのだ。「大丈夫だよ、レオン。緊張しないで。もっと、肩の力を抜いて」 それは俺にとって、屈辱のはずだった。 施しなんて求めていない。 俺は、助けられる側じゃないはずだ。 なのに──なぜか、不思議とハルに気にかけられるのは心地よかった。 その笑みに、不意に胸が熱くなる。 言葉にならない何かが、喉の奥に詰まる。 ──そして、その直後だった。「おや、レオン。ご機嫌そうだね」 馴染みのある、けれどいつもよりわずかに低い声が、背後から降ってきた。 「兄上……!」 振り向けば、クラウディオ・レギウス殿下。 王家筋を母に持つ、俺の従兄──そして、幼い頃からずっと俺の理想が、微笑を湛えて立っていた。 完璧な礼装。涼やかな目元。気品と威厳をまといながらも、俺にだけ向けられる優しい眼差し。「兄上もいらしていたのですね。今夜の主賓の一人なのでは……?」「ん。少しだけ顔を出すつもりだったんだけど、君があまりにも楽しそうにしているから、つい見に来たくなってね」 クラウディオはそう言って、俺の肩にそっと手を置く。 ──ああ、懐かしい。 この手は、俺が剣術を習いたてのころ、何度も支えてくれた。「……こちら、君の同伴者かい?」 クラウディオの目が、俺の隣にいたハルに向く。 それだけで、空気が少しだけ張りつめた。「ハル・アマネだ。俺のルームメイトで──」「ルームメイト、ね。随分と仲が良さそうだ」 クラウディオは微笑を浮かべたまま、ハルに一歩近づく。 その視線には、どこか獣が獲物を値踏みするような光が宿っていた。「……整っている顔立ちだね。君の好みかい、レオン?」「兄上……からかうのはやめてくれ」「はは、ごめんごめん」 軽口のはずなのに、胸の奥が一瞬ざわついた。 ──まるで俺の内心を見透かされたみたいで、頬が熱を帯びる。 危うく赤面しかけたのを、自制心で必死に押し殺した。(……兄上は、どこまで知っている?) そんな考えがよぎったのは、初めてだった。
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-11-08
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第10話 甘い依存の中で
 あれから、ハルはまた俺を抱こうとはしない。  優しいのに、まるで線を引くように触れてこない。 その理由は聞けなかった。  聞きたいのに、怖くて、聞けなかった。「あの子」の話を聞きたくなかった。  それでも、触れられたくて気が狂いそうだった。(だったら、他に選択肢はない) 胸の奥が焦れて、身体が勝手に動いていた。  気づけば、ハルのベッドの端に手をかけている。「……何してるの、レオン」 読書灯の明かりの下、ハルがゆっくりと顔を上げた。  その目が、少し驚いて、それからふっと細まる。「まったく。君ってほんと、手がかかる」 その声に、胸がずきんとした。  でも、布団の端はもう開かれている。  ハルが、片腕を差し出している。 その中に、自分から潜り込む。  胸に顔を埋めると、懐かしい匂いがした。「……別に、寒いだけだ」「ふふ、そういうことにしとく」 やわらかい声。  その声が、背中までじんわりと染みていく。 呆れたような声。でも布団の中の腕が、俺の肩をそっと抱き寄せる。  胸元に顔を押しつける。ハルの匂いが、ゆっくりと肺に満ちていく。(ああ、くそ……安心する) 言い訳を探す余裕すらなくて、指先が勝手に動いた。  胸に頬をすり寄せてから、顔を上げて唇をそっと押し当てる。 ちゅ、と一度。  もう一度、ちゅ。離れられなくなる。 ハルが軽く息を呑む。「……かわいいな、レオン」「っ──!」 心臓が跳ねた。耳まで熱くなる。(やばい、死ぬほど恥ずかしい) (でも、もっと欲しい) 指が、背中を撫でてくる。  服の裾をくぐり、素肌に触れた瞬間、びくりと身体が跳ねた。「……嫌なら、止めるよ?」 ハルが問う。  だけど、首を横に振ることしかできなかった。 唇が重なり、深く吸い込まれるようなキスが落ちてきた。  舌先が触れ、絡まる。「ん……っ、あ、ふ……♡」 とろけるような口づけ。息もできないほどの熱。(なんで、こいつとのキスはこんなに気持ちいい) 指が、下へ滑っていく。  腰を撫で、脚の間をそっと割るように触れる。  身体が跳ねて、背筋に快楽の震えが走る。 唇が、頬に触れる。  喉元にも、鎖骨にも、次々とキスが落ちてくる。  やわらかく、熱っぽく、慈しむように。  それだけで、もう頭の中が真っ
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-11-09
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