学園を支配する悪役令息のはずなのに、天使のような平民にわからせられ続けています

学園を支配する悪役令息のはずなのに、天使のような平民にわからせられ続けています

last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-03
Oleh:  悠・A・ロッサTamat
Bahasa: Japanese
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傲慢な令息と、天使のような新入生。 わからせる側と、わからされる側。 その境界が溶けていくとき、支配は愛に変わる。 プライドと支配を奪われ、逆転関係へと堕ちていく―― 学園支配者のわからせられBL。 やがて、それは両片思いの溺愛へと変わっていく。

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Bab 1

第1話 学園を支配する悪役令息、平民にわからせられる

الساعة الحادية عشرة ليلًا.

كنتُ أركض ليلًا في حديقة المبنى حيث يسكن أخي.

فجأةً سمعتُ من بين الشجيرات صوت رجلٍ وامرأة يتحدّثان همسًا.

"رائد، كنتَ تقول إنك في البيت بلا مزاج؛ جئتُ معك إلى هنا، فلماذا ما زلتَ على الحال نفسها؟"

ما إن سمعتُ حتى أدركتُ أن الصوت لزوجة أخي هناء.

ألم يخرج أخي وهناء لتناول العشاء؟ كيف ظهرا في الحديقة، بل بين الشجيرات؟

مع أنني لم أواعد فتاةً من قبل، فقد شاهدتُ كثيرًا من المقاطع التعليمية، وفهمتُ فورًا أنهما يبحثان عن إثارة.

لم أتوقع أن يكون أخي وهناء بهذه الجرأة! في الحديقة… يا لها من مجازفة.

لم أتمالك نفسي وأردتُ أن أتسمّع.

هناء جميلة وقوامُها رائع، وسماعُ صرخاتها حلمٌ طالما راودني.

زحفتُ على أطراف أصابعي إلى جانب الشجيرات ومددتُ رأسي خلسة.

فرأيتُ هناء جالسةً فوق أخي، وإن كانت تدير ظهرَها لي، إلا أن انسياب ظهرها كان آسرًا.

على الفور جفّ حلقي واشتعل جسدي وشعرتُ بالإثارة.

أمام امرأةٍ بهذه الإغراءات تعثّر أخي قليلًا: "هناء، أنا… الأمر غير ممكن."

ثارت هناء عليه قائلةً: "لا أمل فيك! في الخامسة والثلاثين وهكذا؟ ما نفعك إذن؟ حتى لو كان الأمر غير ممكن، ألا تُخرج شيئًا نافعًا؟ ولا حتى ذلك! فكيف أنجب؟ إن بقيتَ هكذا فسأبحث عن غيرك! إن كنتَ لا تريد أن تصير أبًا فأنا ما زلتُ أريد أن أصير أمًّا."

سحبت هناء بنطالها غاضبةً وخرجت.

ارتعبتُ ولذتُ بالفرار.

لم تمضِ برهة حتى سمعتُ أن هناء قد عادت.

أغلقت الباب بقوة فدوّى صوته، فقفز قلبي من الفزع.

ربَّتُّ على صدري في خلوّتي وأنا أفكر: يا لهول ما رأيت؛ لم أظن أن حياة أخي وهناء الزوجية بهذا السوء.

يُقال إن المرأة في الثلاثين تشتدُّ رغبتها؛ وهناء تبدو فعلًا غير مُشبَعة، وأخي بذلك الجسد النحيل كيف لها أن تكتفي به؟

أما أنا فربما… تفوّ!

ما الذي أفكر فيه؟ هناء زوجةُ أخي، كيف أطمع فيها؟

أنا ورائد وإن لم نكن شقيقين من الدم، إلا أننا أوثق من ذلك.

ولولا رائد لما كنتُ أنا الجامعي اليوم.

إذًا، يستحيل أن أطمع في هناء.

وبينما أنا غارقٌ في شرودي سمعتُ من الغرفة المجاورة أنينًا خافتًا.

ألصقتُ أذني بالجدار أتجسّس.

إنه أنينٌ حقًا!

هناء كانت…

اشتعل جسدي ولم أعد أحتمل، فبدأتُ إشباعًا ذاتيًا بصمت.

وفي الختام توحّدت الأصواتُ على جانبي الجدار.

هذا التوافقُ الغريب جعلني أشرُد من جديد.

وفكّرت: لو كنتُ مع هناء لكان بيننا انسجامٌ كبير.

لكن هذا مستحيل؛ فبيننا دائمًا أخي.

لا يمكن أن أخون أخي.

بدّلتُ سروالي الداخلي المبلّل ووضعته في حمّام الخارج عازمًا على غسله صباحًا.

ثم نمت.

ونمتُ حتى بعد التاسعة صباحًا؛ وحين نهضتُ كان أخي قد غادر إلى العمل، ولم يبقَ في البيت إلا أنا وهناء.

كانت تُعدّ الفطور.

ارتدت هناء منامةً حريريةً بحمّالات، فبان قوامُها الممتلئ أمامي بلا حجاب، ولا سيما امتلاءُ صدرِها؛ فعاد إليّ جفافُ الحلق.

"سهيل، استيقظت؟ أسرع واغتسل لتتناول الفطور." حيّتني هناء.

لم أمكث هنا إلا أيامًا قليلة، وما زلتُ غيرَ معتاد، فكنتُ متحفّظًا، فاكتفيتُ بـ"أوه" خفيفة ومضيتُ إلى الحمّام.

وبينما أغسل وجهي تذكرتُ أن سروالي الذي بدّلتُه البارحة موضوعٌ هنا.

وهناء تستيقظ قبلي؛ أيمكن أنها رأته؟

نظرتُ بسرعةٍ إلى الرف، وفوجئتُ: سروالي غير موجود!

وبينما أبحث هنا وهناك سمعتُ صوت هناء من خلفي: "لا تبحث، أنا غسلته لك."

احمرّ وجهي حياءً. ذلك السروال كان ملطّخًا، فحين غسلتْه ألا تكون قد رأت…؟ يا للحرج!

وكانت هناء تضم ذراعيها على صدرها، وتبتسم كأن لا شيء: "سهيل، أما سمعتَ شيئًا البارحة؟"

أخذتُ أهز رأسي إنكارًا؛ لا يمكن أن أعترف بأنني سمعتُها وحدها تعمل ذلك.

"ل… لا، لم أسمع شيئًا."

"حقًا؟ ألم تسمع أصواتًا غريبةً من غرفتي؟" كانت تُجرّبني.

"نمتُ بعد العاشرة بقليل؛ حقًا لم أسمع شيئًا."

ثم انسحبتُ هاربًا.

ولا أدري لماذا كنتُ أمام أسئلتها شديدَ الارتباك، وكانت عيناي تسقطان على صدرها بغير إرادةٍ مني، كأن سحرًا يجذبني.

جلستُ إلى المائدة آكل بصمت، ولم أكن حاضر الذهن، إذ جاءت وجلست إلى جانبي.

فكّرتُ: ما الذي تنويه؟ كنا نجلس متقابلين عادةً، فلماذا اليوم إلى جواري؟

وبينما أفكر لمستْ بسبابتها ذراعي لمسةً خفيفة، فشعرتُ بوخزٍ لذيذٍ يسري في جسدي كالكهرباء.

وتعجّبتُ في نفسي: إذًا هذا شعورُ لمس المرأة؟ يا له من أمرٍ عجيب.

"سهيل، كأنك تخافني، أليس كذلك؟"

"لا، غير أنني لستُ معتادًا بعد، فأتقبّض قليلًا."

"والناس يتعارفون من عدم، ولهذا يلزم أن نُكثر الحديث لنقترب أسرع وبشكلٍ أنفع. سهيل، أتعرف أسرع وأنجع طريقةٍ ليصير الرجل والمرأة مألوفَين لبعضهما؟"

لا أدري أهو وَهم، لكني أحسستُ أنها تُلمّح إلى شيء، فاضطربتُ ولم أعد أهنأ بالطعام، وكان الفضول يأكلني: ماذا تقصد؟

فتجرّأتُ وسألت: "ما هي يا هناء؟"

"الإنجاب!" حدّقت فيّ بعينيها البراقتين وقالتها مباشرةً.

اختنقتُ. قلتُ في نفسي: لمَ تقول لي هذا؟ إنها زوجة أخي، ولا يمكن أن يحدث بيننا شيء. أتراني مقصدَها؟ أخي لا يقدر، فهل علّقت أملها عليّ؟ لا، لا يجوز أن أخون أخي.

سحبتُ الكرسي مبتعدًا قليلًا: "هناء، لا تمزحي؛ لو سمع أحدٌ لأساء الظن."

ضحكت وقالت: "إذًا قل الحقيقة: هل سمعتَ شيئًا البارحة أم لا؟ إن لم تصدّق فسنتعمّق في الحديث."

كدتُ أفقد السيطرة من الخوف، فقلتُ مرتبكًا: "نعم، سمعتُ بعض الأصوات، لكن لم أقصد."

"هل كان أنيني؟ هل كان جميلًا؟" لم أتوقّع منها هذا السؤال.

احمرّ وجهي وكاد قلبي يقفز من صدري، ولم أعرف بمَ أجيب.

وفي تلك اللحظة جاء طرقٌ على الباب، فتمسّكتُ به طوقَ نجاة، وأسرعتُ أفتح.

وما إن فتحتُ الباب حتى رأيتُ امرأةً طويلةً ممشوقة القوام، ملامحُها شديدة الجمال، ونظرتها آسرة.

حدّقت بي بعينيها السوداوين الواسعتين وسألت: "من أنت؟"

وقلتُ متعجبًا: "ومن أنتِ؟"

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第1話 学園を支配する悪役令息、平民にわからせられる
 俺は、レオン・ヴァレンタイン。 聖ルミナス魔導学園の支配者──いや、正確にはこの国の貴族たちが通う、世界屈指の名門魔導学園を支配する「黒き獅子」と呼ばれてきた。  教師でさえ、俺の一言で配置が変わる。  朝の食堂の献立から、夜の魔導演習の順番まで。  この学園は──俺の手のひらで回っている。 それが当たり前だった。 貴族であることにあぐらをかいていたわけじゃない。俺は誰よりも勉強し、誰よりも魔導を極め、誰よりも人を支配することに誇りを持ってきた。実力の伴わない権威など意味がない──だからこそ俺は、誰にも隙を見せず、いつも完璧であろうとしてきた。 模擬戦では三年連続で主席。魔法理論の論文はすでに王立魔導学会に所蔵され、数十の貴族派閥が俺を中心に結びついている。  笑われたことなど一度もない。  膝をつかせてきたのは、他人のほうだ。 なのに、黒髪の新入生──ハル・アマネが現れてから、胸の奥がざわついて仕方がない。彼は平民奨学生。ただの庶民のはずだったのに、あの笑顔ひとつで、俺が築いた支配を崩しつつある。教師たちは彼に好意的になり、女生徒たちは彼に夢中になり、貴族の息子たちですら彼の言葉に耳を傾ける。わずか一ヶ月で、学園の空気は半分、彼のものになってしまった。 「天使」なんて呼ばれているが、俺には毒にしか見えない。……いや、本当は最初からわかっていた。あいつは毒だ。 だからこそ、惹かれてしまう自分がいる。  いや、そんなはずはない、気のせいだ―― 入学式の日、講堂のステージに立つハルを初めて見たとき、時間が止まった。  俺が審査したわけでもないのに、平民の少年が学園に入ったというだけで腹立たしい知らせだった。  だが、黒髪が光を弾き、透明な肌と笑顔がステンドグラスの光を浴びるその姿は、天使の降臨にしか見えなかった。  胸の奥が、不本意に熱くなる。  視線を外したいのに外せない。  心臓がうるさくて、指先が痺れた。(なんだ、この感覚は。苛立ちか、それとも──惹かれている?)「音楽室に呼び出せ」 俺はわざと冷たい声で命じた。  脅して、ビビらせて、あの天使の笑顔とやらを大人しくさせる──そのつもりだった。  本気で体を傷つける気はない。  ただ、あの綺麗な顔からプライドだけを剥ぎ取ってやりたかった。 それなのに──。 旧校
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第6話 思い出すまで、壊してあげる
「……へぇ」 一瞬、ぴりっとした怒りの波動が走った気がした。  だがハルは何も言わず、ただ静かに俺達を見つめていた。 黒髪の影を認めた瞬間、三人の空気が変わった。  ノアは舌打ちし、「……チッ、来やがったか」と強がるように笑う。  サミュエルは息を呑み、声も出せずに視線を伏せる。  ギルは肩を震わせながらも、俺の体から未練がましく目を逸らせなかった。 だが、ハルは三人には何も言わず、俺に向かってただ静かに声を落とす。「レオン。助けてほしいなら、僕の庇護のもとに入るか。あるいは、このまま見過ごすか。どっちがいい?」 選択肢を突きつけられ、心が揺らぐ。  屈辱と恐怖と吐き気がないまぜになる。答えられずにいる間に、ノアの手が下腹部を撫で回した。「なぁレオン。あんなにハルの悪口言ってたよな? 今さら格好つけるなよ。俺たちの仲だ、俺たちに可愛がられる方がいいだろ。……ほら、感じてんじゃねぇの?」 下腹部をぞっとするほどいやらしく撫でられ、全身に鳥肌が立つ。吐き気が込み上げる。「……気持ち悪い、触るな……っ」 だけど身体は拘束されて、動かせない。「君が選びたくないなら、構わないけど」 ハルが踵を返しかける。 絶望が喉を塞ぎ、気づけば声が零れていた。 「待て……っ……ハル、助けて」 自分でも驚くほど、切実な声だった。*** ハルは無言のまま歩み寄り、ノアたちを冷たく見下ろした。  教室の片隅、誰もいない狭い空間に、ただ一人、王のような威圧が立ち込める。「……わかったよ。じゃあ、君たちは消えて?」  淡々とした声音。だが、その響きは容赦がなかった。「でも──」  ノアが言いかけた瞬間、ハルの瞳がすっと細められる。「僕がキレないうちに、早く散れ」 一瞬、空気が弾けるような緊張に包まれた。  何かが出たわけではない。ただ、それだけで十分だった。 ノアが舌打ちを噛み殺し、歯を食いしばる。 「……チッ、逃げ切れると思うなよ」 俺にそう捨て台詞を吐いて立ち去る。  サミュエルは無言のまま視線を伏せ、ギルも未練がましく俺を見やったが、結局は何も言わず、後に続いた。 静寂が落ちる。 拘束が解かれ、床に膝をついた俺は、乱れた呼吸を整えるので精一杯だった。「……感謝する」  やっとの思いで絞り出した声は、かすれて
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第7話 赦しの夜
 昼下がりの校庭。白い石畳の上、緑の芝を背景に並んで歩くハル・アマネと俺は、まるで学園の象徴みたいに囁かれていた。「黒き獅子と天使」「至宝のペア」「王道と奇跡の組み合わせ」──そんな呼び名まで勝手につけられて。 あれは、ハルが俺を「庇護下に置く」と宣言して数日のことだった。 学園には形式的にバディ制度と呼ばれる仕組みがある。異なる出自、異なる能力の者同士をあえて組ませることで、魔導的適性や社会性のバランスを見るという試みだ。 本来は推薦制か、教師の指名で決定されるはずだったが──ハルは突然、その制度の中で俺を指名してきた。「レオンくんを、僕のバディに選びます」 その場に居合わせた教師たちは一瞬静まり返り──そして、なぜか誰一人としてそれを否定しなかった。まるで、それが当然のように。 そして数日後には、教師陣の会話の中に「バディ制度の活用例として優秀」「相互補完性が高い」と、理論武装された理由が溶け込み、気づけば俺はハルと行動を共にするようになっていた。 驚くべきはそれだけではない。 俺ですら手を焼いた寮の部屋割り──あの忌々しい名簿を、ハルは数日のうちに塗り替えた。「バディ同室の原則って、あるよね? 君と僕の組み合わせ、模擬戦でも好成績だったから。だから、これで手続きは通るはず」 そう言って、あの涼しい顔で寮監に書類を突きつけたハルを、今でも忘れられない。 夜になれば、二人は寮の同じ部屋に帰る。豪奢な二人部屋。 そして、俺は心のどこかでずっと覚悟を決めていた。「次はベッドの上で、もっと深く、わからせてあげるから」その言葉を聞いてから、ずっとそうなるんじゃないかと思っていた。怖かった。でも、同時に期待していた。あのとき身体の芯に残った熱と、囁き声の甘さと、強引な指先の感触が、脳裏に焼きついて離れない。 夜──部屋に二人きりになるたび、俺は身構えていた。 次は来る。今夜こそ、抱かれる。 そのつもりで、身体に力を入れて、いつでも備えていた。 ……なのに。 一週間、二週間……気づけば、一か月と一週間が過ぎていた。 ハルは毎晩ただ「おやすみ」と微笑んで、ベッドに入るだけ。背を向け、何もせず、触れもしない。 レオン・ヴァレンタイン、黒き獅子とまで呼ばれた俺が、夜ごと自分の心臓の音に苛まれ、ハルが寝息を立てる横でただ目を閉じる。(なんなん
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第8話 あの子に似てると言われた夜
「前を触ってないのに、出ちゃった。……レオン、感じすぎだよ」「っ……ちが……っ……や、あっ……っ……♡」 恥ずかしさと快楽が混ざって、涙がにじむ。  でも、ハルの指はまだ止まらない。まだ、奥の一番深いところを撫でながら、声を落として囁く。「まだ、欲しいんだよね……レオン」「……っ、い、って……ない……!」「言わなくても、わかるよ。だって……ずっとこんなに、可愛く震えてる」(やめろ、そんなの、言うな……っ) (でも……っ、本当は……欲しくてたまらない) 快楽に塗れたまま、身体はビクビクと震え続ける。  それでも、ハルの指はまだ奥でじんわりと動いている。  ひくひくと痺れる後ろを撫でながら、困ったように笑った。「……もう、限界かな。僕も、もう我慢できないや」「全部、あげるよ。でも……今は、身体だけ、ね」 こいつは俺の返事なんて待たない。  熱が、ぬるりと触れてきた。(──え、まさか……っ)「……入れるよ、レオン」「や、待っ……まだ……っ、あ、ああっ……♡」  ゆっくりと、でも確実に、ハルが入り込んでくる。  初めて貫かれる感覚に、思わず爪先まで震えが走った。(っ……なんだ、これ……腹の奥、きゅって……) 足の爪が丸まる。無意識に力が入ってしまうのを、どうにもできない。 「……大丈夫、力抜いて。ゆっくり、ね」 低くて優しい声が、耳の奥に響く。  なのに身体は全然言うことを聞かなくて── 「っ……う、っ……あ、や……♡ ぅ、あぁっ……♡」 押し広げられるたびに、びくんと腰が跳ねる。  熱くて、苦しくて、それなのに奥の方がじんわり疼いてくる。  腰を引きたくても、ハルの手がしっかりと抱え込んでいて逃げられない。(なんで、こんな……っ……屈辱のはずなのに……きもちよすぎる……♡) (もう……何も……考えられない……♡)「……っ、く……すご……っ、これ……変な……♡」「レオン……やっぱり、可愛い。全部、受け入れてくれるんだね……でも……身体だけ、だよ」(……そんなの……わかってる。なのに……なんでこんな気持ちに……) 少しずつ奥まで沈んでくる熱。  きゅう、と締まったところに、じわりと圧がかかる。「入った……レオンの、いちばん奥まで……」「っ……ぁ、あっ……んっ、く……♡」 ぬくもりが、ぐっと奥まで届
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-07
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第9話 息もできないほど、深く、深く
 その夜から。 ハルの俺に対する態度は、また変わった気がする。 それに気づいたのは、王城主催の招待式典のときだった。侯爵家の嫡男として、完璧な立ち居振る舞いを求められる場は、いつも以上に気を張る。背筋は伸び、手の動きも一分の隙もなく。そんなときだった。俺の肩にそっと触れて、ハルが微笑んだのだ。「大丈夫だよ、レオン。緊張しないで。もっと、肩の力を抜いて」 それは俺にとって、屈辱のはずだった。 施しなんて求めていない。 俺は、助けられる側じゃないはずだ。 なのに──なぜか、不思議とハルに気にかけられるのは心地よかった。 その笑みに、不意に胸が熱くなる。 言葉にならない何かが、喉の奥に詰まる。 ──そして、その直後だった。「おや、レオン。ご機嫌そうだね」 馴染みのある、けれどいつもよりわずかに低い声が、背後から降ってきた。 「兄上……!」 振り向けば、クラウディオ・レギウス殿下。 王家筋を母に持つ、俺の従兄──そして、幼い頃からずっと俺の理想が、微笑を湛えて立っていた。 完璧な礼装。涼やかな目元。気品と威厳をまといながらも、俺にだけ向けられる優しい眼差し。「兄上もいらしていたのですね。今夜の主賓の一人なのでは……?」「ん。少しだけ顔を出すつもりだったんだけど、君があまりにも楽しそうにしているから、つい見に来たくなってね」 クラウディオはそう言って、俺の肩にそっと手を置く。 ──ああ、懐かしい。 この手は、俺が剣術を習いたてのころ、何度も支えてくれた。「……こちら、君の同伴者かい?」 クラウディオの目が、俺の隣にいたハルに向く。 それだけで、空気が少しだけ張りつめた。「ハル・アマネだ。俺のルームメイトで──」「ルームメイト、ね。随分と仲が良さそうだ」 クラウディオは微笑を浮かべたまま、ハルに一歩近づく。 その視線には、どこか獣が獲物を値踏みするような光が宿っていた。「……整っている顔立ちだね。君の好みかい、レオン?」「兄上……からかうのはやめてくれ」「はは、ごめんごめん」 軽口のはずなのに、胸の奥が一瞬ざわついた。 ──まるで俺の内心を見透かされたみたいで、頬が熱を帯びる。 危うく赤面しかけたのを、自制心で必死に押し殺した。(……兄上は、どこまで知っている?) そんな考えがよぎったのは、初めてだった。
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第10話 甘い依存の中で
 あれから、ハルはまた俺を抱こうとはしない。  優しいのに、まるで線を引くように触れてこない。 その理由は聞けなかった。  聞きたいのに、怖くて、聞けなかった。「あの子」の話を聞きたくなかった。  それでも、触れられたくて気が狂いそうだった。(だったら、他に選択肢はない) 胸の奥が焦れて、身体が勝手に動いていた。  気づけば、ハルのベッドの端に手をかけている。「……何してるの、レオン」 読書灯の明かりの下、ハルがゆっくりと顔を上げた。  その目が、少し驚いて、それからふっと細まる。「まったく。君ってほんと、手がかかる」 その声に、胸がずきんとした。  でも、布団の端はもう開かれている。  ハルが、片腕を差し出している。 その中に、自分から潜り込む。  胸に顔を埋めると、懐かしい匂いがした。「……別に、寒いだけだ」「ふふ、そういうことにしとく」 やわらかい声。  その声が、背中までじんわりと染みていく。 呆れたような声。でも布団の中の腕が、俺の肩をそっと抱き寄せる。  胸元に顔を押しつける。ハルの匂いが、ゆっくりと肺に満ちていく。(ああ、くそ……安心する) 言い訳を探す余裕すらなくて、指先が勝手に動いた。  胸に頬をすり寄せてから、顔を上げて唇をそっと押し当てる。 ちゅ、と一度。  もう一度、ちゅ。離れられなくなる。 ハルが軽く息を呑む。「……かわいいな、レオン」「っ──!」 心臓が跳ねた。耳まで熱くなる。(やばい、死ぬほど恥ずかしい) (でも、もっと欲しい) 指が、背中を撫でてくる。  服の裾をくぐり、素肌に触れた瞬間、びくりと身体が跳ねた。「……嫌なら、止めるよ?」 ハルが問う。  だけど、首を横に振ることしかできなかった。 唇が重なり、深く吸い込まれるようなキスが落ちてきた。  舌先が触れ、絡まる。「ん……っ、あ、ふ……♡」 とろけるような口づけ。息もできないほどの熱。(なんで、こいつとのキスはこんなに気持ちいい) 指が、下へ滑っていく。  腰を撫で、脚の間をそっと割るように触れる。  身体が跳ねて、背筋に快楽の震えが走る。 唇が、頬に触れる。  喉元にも、鎖骨にも、次々とキスが落ちてくる。  やわらかく、熱っぽく、慈しむように。  それだけで、もう頭の中が真っ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-09
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