この有名な『スラムダンク』の台詞を英語に訳すとなると、ニュアンスをどう伝えるかが難しいところです。安西先生のこの言葉は単なる「諦めるな」という意味ではなく、試合中のプレイヤーに向けた核心を突いたメッセージ。直訳すると"If you give up, the game is over right there"となりますが、英語圏のスポーツ文化では"The game ends when you quit"といった表現の方がしっくりくるかもしれません。
スポーツ映画や漫画の英語翻訳を見ていると、こうした熱い台詞は文化によってリズム感が変わる傾向があります。例えば『ロッキー』シリーズの"It ain't about how hard you hit"という台詞が日本語版で「どれだけ強く叩けるかじゃない」となっているのと同じ原理です。『スラムダンク』の英語版では実際に"If you give up now, you're finished"という訳が採用されていた記憶がありますが、原作の勢いを損なわないよう翻訳者たちがかなり苦心した跡が感じられます。
翻訳業界で文章のリズムや台詞の持つ強さをいつも意識している身として話すと、原文の『諦めたら そこで 試合終了ですよ』は非常にシンプルで断定的な一言だから、英語でもそれを損なわない表現が選ばれやすいです。
僕が確認した公式の邦訳・英訳の扱いだと、よく見かけるのが「If you give up, that's the end of the game.」というレンダリングです。語順や言葉の軽さが日本語の持つ諦めることへの厳しさをよく再現していて、特に漫画のコマでの短い台詞には馴染みます。
一方で訳者は“game”か“match”か、“end”か“game over”かなど微妙な選択を迫られますが、原作の教師的な鋭さを残すためには“give up”+“end of the game”の組み合わせが無難で効果的だと僕は感じます。'Slam Dunk'のあの場面には特に似合う訳です。