海外作品では『The Fault in Our Stars』が深く心に残ります。病と向き合う二人の儚さと強さが、公園のベンチでのキスシーンに凝縮されています。ハズレルとオーガスタスの関係は、運命に翻弄されながらも、一瞬一瞬を大切に生きようとする姿が胸を打ちます。キスという行為が単なるロマンスではなく、生に対する肯定として描かれている点がこの作品の真骨頂でしょう。
『キスより素敵な手料理』という映画のサウンドトラックには、天ぷらを揚げる音とキスシーンが重なるユニークな楽曲があります。特にメインテーマ『Flavor of Love』は、油の跳ねる音と弦楽器の調和が絶妙で、料理と恋の熱さを同時に表現しています。
このサウンドトラックを作曲したのは、日常の音を音楽に取り込むことで知られるアーティストです。キッチンでの作業音や食器の触れ合う音までがリズムとして活用され、リスナーはまるでキッチンに立っているような臨場感を味わえます。特に天ぷらシーンでは、衣がカリッと揚がる音がハイハットのように使われ、その直後のキスシーンで突然シンセが入る構成は何度聴いても新鮮です。
こうした実験的なアプローチは、『食』をテーマにした映画音楽の可能性を広げました。普通ならBGMとして消えがちな生活音を主役にしたことで、料理シーンと感情シーンの境界を曖昧にする効果を生んでいます。