役に立たないことをテーマにしたオーディオブックは意外と多く、その中でも『The Art of Doing Nothing』は興味深い作品だ。生産性至上主義の現代社会において、あえて無為の価値を説く内容が逆説的で新鮮に感じる。
著者は、何もせずに過ごす時間こそが創造性の源だと主張し、歴史的な芸術家や思想家の事例を引きながら解説している。ただボーッとする行為が脳のリセットにつながるという科学的根拠も紹介されており、聴き終わった後は妙に納得させられる。忙しい人ほど試してもらいたい一冊。
運命というテーマを深く掘り下げたオーディオブックで、最近強く印象に残っているのは'The Time Traveler's Wife'です。この作品は時間を超えた恋を描いていますが、単なるSFロマンスではなく、出会いや別れが必然として描かれるところに運命の重みを感じます。主人公たちがどれほど抵抗しても変えられない事実に向き合う姿は、聴いているうちに自然と感情移入してしまいます。
特に声優の演技が素晴らしく、時間の流れに翻弄される二人の心情が音声だけで見事に表現されています。運命という抽象的な概念が、ここまで具体的に感じられる作品は珍しいです。ラストシーンの台詞回しは何度聴いても胸が締め付けられるようで、運命の残酷さと美しさを同時に味わえる名作です。こういう作品を聴くと、人生の偶然と必然について考えずにはいられません。