想像のピースを一つずつ並べ替えるつもりで、
ギュスターヴの人生を再構築するスピンオフを提案したい。幼少期のトラウマや家族との確執を丁寧に掘り下げる導入から、彼がどのように現在の冷静さと狡猾さを身につけたかを見せるべきだと私は考える。幼少期エピソードは単なる回想にならず、現在の事件と鏡合わせになるように配置して、視聴者が彼の選択に共感したり反発したりできる余地を残す。
中盤は政治的な駆け引きと個人的な復讐劇を交差させるのが効果的だ。ギュスターヴがかつて属していた組織や恩師、裏切り者たちが次々に登場し、彼の道徳観が試される場面を多く作る。対立者をただの悪役にしないで、それぞれに信念と弱点を与えることでドラマが深まる。戦術的な描写は控えめにして、人間関係のズレと心理戦を中心に据えると作品全体が引き締まる。
終盤は、彼が抱えてきた謎の核心に触れつつ、ある種の決着と余白を残すラストがいい。単純なハッピーエンドではなく、次の物語に繋がる伏線をいくつか残して終えるとシリーズ展開が広がる。演出面では『黒執事』的なヴィクトリア朝風の暗い美学と、緊張感を保つカメラワークを融合させれば視覚的にも引き込めるはずだ。こうした構成でギュスターヴの内面と外側の世界を均等に描けば、スピンオフとして十分に独立した魅力を放てると思う。