本棚を眺めていて真っ先に手に取るのが、このマンガだった。ページをめくるごとに“モンスターと料理”という斬新な視点で描かれる世界が広がり、
コカトリスの能力──見ただけで石にしてしまう危険──を扱うエピソードも非常に工夫されているのが魅力だ。
描写は親切で、危険のルールや対処法が段階的に示されるので、初心者でも理解しやすい。視点キャラクターたちが試行錯誤しながら安全な扱い方を見つけ出す過程は、学びながら楽しめるし、恐怖とユーモアのバランスが良い。
石化そのものを単なる脅威として使うのではなく、料理や知恵に結びつけているため、純粋なモンスター描写に飽きている人にも刺さる。
僕にとって特に嬉しかったのは、物語のテンポと説明の丁寧さだ。専門的な用語に頼らずに、読者に必要な情報だけを提示しつつ緊張感を保つ構成は、コカトリス能力モノの入門として最適だと思う。まずは軽く一巻から手に取って、その世界観とルール感に慣れてみることをおすすめする。