J.M.バリーの『ピーター・パン』の原文を読むと、ヴィクトリア朝の英語の優雅さと子供らしい無邪気さが混ざり合った独特の文体に驚かされます。
登場人物の会話は当時の上流階級の子供たちの話し方を反映していて、『awfully nice』のような逆説的な表現が頻出します。ピーターのセリフには文法を無視した子供っぽい言い回しが多く、永遠の少年らしさが言葉の端々に滲み出ています。
物語の語り口は時に詩的で、『second star to the right and straight on till morning』という方向の説明など、記憶に残るフレーズが散りばめられています。妖精の描写では光の動きを言葉で表現しようとする試みが感じられ、Tinker Bellの存在感が文章から浮かび上がってきます。