あの頼もしさと抜けたユーモアが混ざったキャラを振り返ると、最初の印象と終盤の印象がずいぶん変わっているのが面白い。冒頭では豪快でどん欲、いかにも掴みどころのない海賊の親分という外見が強調されていて、金と権力を追い求める俗っぽさが目立っている。だが物語が進むにつれて、その表層の粗野さが単なるキャラクター性であったことが明らかになっていった。
個人的には、彼女の行動原理が“家族”や“仲間”という軸に寄っていく過程が魅力的だった。仲間に対する冗談交じりの怒り方や、子どもたちに対する無骨な優しさは、かつての
強欲さや自己中心的な振る舞いを和らげる効果を持っている。劇中での決断を見ると、利益を最優先にするよりも大切なものを守るために動く場面が増え、リーダーとしての深みが増していったと感じる。
最後に残るのは、単なる“悪役ではない”というだけでなく、信頼と責任を背負う人物像だ。笑いを取るための言動もあれば、真剣な覚悟を見せる瞬間もあって、その振れ幅こそがキャラクターの面白さになっている。観客としては、最初の軽さにだまされながらも、いつの間にか彼女の人間臭さに引き込まれていった。