ネズミを主人公に据える場合、その小ささと脆弱性を逆手に取って物語に緊張感を与えるのが効果的です。例えば、下水道で生き延びる野良ネズミの群れを描くなら、餌を巡る争いや猫からの
逃避行といった日常的な危機をリアルに描写することで、読者に共感を呼び起こせます。
キャラクター造形では、『レミーのおいしいレストラン』のように擬人化せず、あくまで動物としての本能を残す方がオリジナリティが出せます。嗅覚や聴覚を強調した描写、しっぽの動きで感情を表現するなど、人間とは異なる感覚世界を再現してみましょう。最後に予期せぬ展開――例えばネズミが実は実験動物だったとか、災害を予知する能力を持っていたとか――を加えると、単なる動物物語から脱却できます。