不平や社会的不満をテーマにしたオーディオブックで最近話題になったのは、'蟹工船'の朗読版でしょう。プロレタリア文学の古典ですが、現代の労働問題と重ねて聴く若い層が増えています。ナレーターの渋い声質と背景の工業音響が、非正規労働者の苦悩をよりリアルに伝えます。
もう一つ外せないのが、'アンネの日記'の完全朗読版です。戦争という極限状況下での不平が、等身大の少女の言葉で綴られる点に共感を覚えます。特にオーディオブックならではのメリットとして、アンネの感情の揺れが声優の演技を通じてよりダイレクトに伝わってくるんです。日常の些細な不満から深刻な人権問題まで、幅広い不平の質感を体験できます。
こういった作品が支持される背景には、現代社会における無力感の蔓延がある気がします。歴史的な作品であっても、今のリスナーが自分と重ねて聴ける普遍性を持っているのが特徴ですね。