『Lost in Translation』のエンディングで流れる'The Jesus and Mary Chain'の'Just Like Honey'は、その代表例だ。ギターの反復と素朴な歌詞が、言葉にならなかった交流の余韻を引き取るように響く。画面の中で近づきかけては離れる二人を見ている立場だと、この曲は胸の奥にじんわりと温度を残してくれる。
映画『Call Me by Your Name』に流れる'Sufjan Stevens'の'Mystery of Love'は、その典型だと思う。透き通った声と繊細なギターが、見ている側の内面を静かに露わにする。登場人物たちのやり取りを外側から眺める立ち位置にいるとき、この曲は言葉にしづらい未練や羨望を代弁してくれる。