耳に残るイントロが好きなら、僕はまずメインテーマを推したい。
ケーキバースの顔とも言えるその曲は、フックが強くて何度もリピートしたくなるタイプだ。オーケストラと電子音のバランスがよく、曲の導入だけで作品世界に引き込まれる。細かなアレンジを聴き取ると、各キャラクターのモチーフが散りばめられているのが分かり、聴き比べが楽しい。
追いかけるなら、戦闘曲のリミックスバージョンをおすすめする。原曲のエネルギーはそのままに、テンポや打楽器の強調で緊張感が増している。個人的には激しいパートでのブラスの使い方がツボで、心拍数が上がる瞬間が何度もある。こういう構成は『ゼルダの伝説』の戦闘曲にも通じるところがあり、ゲーム音楽ファンならほぼ確実に楽しめるはずだ。
最後に、エンディング曲の静かなピアノアレンジを忘れないでほしい。派手な曲の余韻を優しく包み込む役割を果たしていて、聴くたびに物語の余韻が蘇る。私はこの収録順で通して聴くことが多くて、曲ごとの対比がケーキバースという作品の魅力をより浮き彫りにしてくれると感じている。