『史記』の「廉頗藺相如列伝」が最も有名な一次資料でしょう。司馬遷が描いたこのエピソードには、趙国の将軍廉頗と
宰相藺相如の確執から和解に至る過程が生き生きと記録されています。特に二人が最終的に「刎頸の交わり」を結ぶ場面は、中国史における友情の象徴的なシーンとして後世に多大な影響を与えました。
この物語の面白さは、単なる美談ではなく人間の成長物語として読める点です。最初は藺相如を軽蔑していた廉頗が、相手の
器量を認め、自ら荊を背負って謝罪するくだりは、どんな時代にも通じる人間ドラマです。『十八史略』などの簡易版歴史書でもこのエピソードはよく採録されていますが、やはり原文の迫力は格別です。