僕が
法螺貝を選ぶときにまず気にするのは、鳴りの素直さと壊れにくさだった。身辺で見かけるものには大きく分けて『天然の貝』と『樹脂や合成素材のレプリカ』があり、初心者には後者も強く勧めたい。音の出しやすさを優先するなら、口径や吹き口の形状が安定している個体のほうが早く上達するからだ。初歩は無理をせず、まず確実に音が出る一本を手に入れるのがコツだと、何度も失敗して学んだ経験から言える。
購入先としておすすめできるのは、仏具や祭具を扱う実店舗、伝統楽器を専門に扱う店、それにオンラインの専門ショップだ。実物を試せる店なら、ひび割れの有無や吹き口の加工状態をチェックできるし、試奏して音の出方を確認できる。オンラインではレビューや出品者への質問で写真や音声サンプルを要求し、返品ポリシーを確認するのが安全だ。中古市場も視野に入るが、貝の内部に見えないひびがあったり接合部の劣化があることがあるので、出品者の説明や写真をよく見る必要がある。
価格帯の目安を挙げると、練習用の樹脂製や簡易的なレプリカはおおむね3,000〜12,000円。小型の天然貝や観賞用の装飾付きだと8,000〜30,000円程度が多い。寺院や儀式で使われるような本格的な仕上げの天然貝は30,000〜150,000円、それ以上に職人の手による古美術や希少種になると数十万円に達することもある。予算と用途をはっきりさせれば、無駄な出費を避けられる。
最後に注意点として、貝は輸送中に割れやすいので梱包の状態と配送方法を確認したほうがいい。口当たりをよくするための吹き口加工や、持ち運び用の紐・ケースが付属しているかもチェックすると役立つ。僕は最初に安価なレプリカで基礎を固め、その後に実物の天然貝に移行して良かったと感じている。