不倫夫に復讐の輝きを夫のズボンを洗濯しようとした時、ポケットからマンションの管理費等の滞納督促状が出てきた。
記載されていた住所は、我が家の真上の部屋だった。
ただし、所有者名義には、はっきりと夫の名前が書かれていた。
その紙を握りしめる指先が、一瞬で凍り付く。
ふと思い返せば、ここ半年、彼は「残業だ」と言って深夜帰宅が増えていた。
何度もあった。彼が仕事に出かけたはずなのに、車がマンションの駐車場に停まったままだったことが。
問い詰めると、彼は決まってこう言った。
「最近はガソリン代もバカにならないしな。電車の方が楽だし、節約だよ。将来のためだろ?」
家庭を思う彼の言葉に、私は密かに感心さえしていたのだ。
だが、今ならわかる。彼の言う「残業」の行き先は、真上の部屋だったのだ。
その時、玄関の鍵が回る音がした。
夫が帰ってきた。
私の手にある督促状を見るなり、彼は無造作にそれを奪い取った。
「ああ、管理会社の誤配だろう。たまにあるんだよ」
私は頷き、無理に笑って見せた。
「そうね、気にしないで。
……ちょっと、ゴミ出しに行ってくるわ」
部屋を出た私は、そのまま上の階へと向かった。
扉を叩くと、目の前に現れた女のお腹は大きく膨らんでいた。
見たところ、もう臨月だろう。