各地域の役人は一里 何キロの違いをどのように記録していましたか

2025-11-03 10:12:09 64

3 Answers

Brianna
Brianna
2025-11-06 18:25:41
測量の現場仕事を続ける中で、地域ごとの『一里』の違いがどのように記録されてきたかを身をもって学んだ。古い中国の制度では『里』(li)の長さが時代や王朝で変動し、行政は『里程』を地方の官署が取りまとめた里程表や里程碑の刻字で残していた。史料には、一つの街道ごとに里数と実測値を対比して書き記した文書があり、私もそうした対照表を何度も目にした。日常的には歩数や車輪の回転数、あるいは測尺棒を用いた実測が基になり、その結果を郷県の里程帳に記入して上級官庁へ送る仕組みだった。
地方差を扱う際、役人は単純な換算表だけで済ませたわけではない。道路の種類(官道・私道)、地形、橋や渡し場の存在まで注記し、場合によっては里を短縮・延長して表記することもあった。近世以降、外来の測量技術や後のメートル法導入が進むと、従来の里を現代の長さに換算するための補正係数や注記が公式文書に盛り込まれるようになった。こうして私は、単なる数値だけでなく注記と補正がセットで保存されることが、地域差を正確に伝える鍵だと実感した。
Brielle
Brielle
2025-11-06 22:01:04
役所の予算や道路整備の資料を扱っていた折、里の違いは厳密に扱われねばならない問題だった。実務では各地に保管された標準の長さ(測尺や基準石)を参照し、現地の里数と中央政府が定めた換算値を照合する作業が常態化していた。具体的には、地方台帳に「当郷一里は○間○尺に相当」といった注記を付け、さらにそれをメートル換算した数値を並記する。こうすることで、道路工事や郵便、年貢輸送の距離見積もりで混乱が生じないようにしていた。
また、近代化期には測量士が三角測量や道芯の測定を行い、従来の里数帳に新しい実測値を追記していった。古い記録は参考情報として残しつつ、行政文書では最終的にメートル表示を優先するという扱いが一般化したのを覚えている。このような二重表示と注記によって、地域差は透明に管理され、計画と帳簿の整合性が保たれていった。
Bella
Bella
2025-11-09 22:11:43
古い役所の古文書を読むたびに、距離の扱いが時代や場所で違っていたことに驚かされる。江戸時代の日本では、一里は伝統的に三十六町に当たり、計算上はおよそ3.92727キロメートルと換算されることが多かった。現場の役人たちはこの単位を基準にして、道沿いに『一里塚』や里程石を築き、里数を書き込んだ帳簿を残している。こうした里程標や里数帳が、地方ごとの“実測値”を記録する主要な手段だった。

現場では実際の測り方も様々で、測量棒や車輪の回転数に基づく計測、あるいは歩幅を基準にした歩測などが使われた。土地の起伏や道の曲がり具合、行政区ごとの基準のずれで、理論上の三十六町=約3.927kmと実際の里の長さが微妙に異なることが頻繁に起きた。役所はその違いを里程改定や差異表で記し、旅行者向けの道中記や幕府の地図にも反映させていた。

明治期になると度量衡の近代化が進み、旧来の里をメートル法に換算する公式値が示されるようになった。そうして各地の里の差異は、旧記録と新基準を対照する形で整理され、最終的には道路標識や地図にキロ換算が併記されていったのが、私が古文書の整理を通じて見てきた流れだ。
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