結構面白い問いだ。自分は同人シーンの端っこで長く観察してきた身として、
しょぼんを題材にしたファンアートの人気傾向にはいくつかの明確な流れが見える。
まず、ビジュアルの解釈幅が広いことが大きい。原作の簡素で憂いのある表情を保ちつつ、デフォルメや表情差分で感情の振幅を大きくする作品が目立つ。悲しげな目線をコミカルに反転させるパロディ、逆に背景設定を膨らませて深い物語性を持たせるイラストなど、受け手の共感を狙った多様なアプローチがある。自分も同人誌の表紙でそういう「しょぼんの感情」を強調するのに何度か挑戦したが、反応が良いのはやはり“余白”を活かした表現だった。
次にプラットフォームの影響だ。描き手は表現をすぐに試せるSNSやイベントで反応を拾い、その瞬間のウケを作品に取り込む。これは短期的な流行を生みやすい一方で、オリジナル解釈やクオリティの高い再構築が長期的な評価につながる。個人的には、流行と深化の両方が共存している点がしょぼんファンアートの健全さだと感じている。