ちょっとした実験で気づいたのは、
ルイベの繊細さを壊さないことが最優先だという点だ。冷たいまま提供されるので香りが飛びにくく、脂の質感が際立つ。そこで自分はまず「重さ」と「洗い流す力」を軸に考える。脂に寄り添う穏やかな旨味の酒よりも、後口で脂をすっきり流してくれるものを選ぶことが多い。
具体的には、冷やした『純米吟醸』を手に取ることが多い。香りが控えめで米の旨味がじんわり寄り添い、雑味が少ないためルイベの甘みを壊さない。温度はよく冷やしておくと舌の感覚が引き締まり、薄く切ったルイベの繊細なテクスチャーとも相性がいい。グラスは口の広すぎない小ぶりなものにすると香りが逃げにくい。
もうひとつの選択肢としては、辛口の『ソーヴィニヨン・ブラン』のような白ワインを合わせる場面もある。シャープな酸が脂を切り、柑橘系の余韻が魚の風味を引き上げてくれるからだ。結局のところ、家で作るルイベにはやりすぎない、素材のよさを邪魔しない酒を冷やしておくのが自分の基本で、そういう組み合わせに落ち着くことが多い。