春風駘蕩という言葉を聞くと、『となりのトトロ』でメイとサツキが草原を駆け回るシーンを思い出す。あの柔らかな陽射しと共に吹き抜ける風のような、穏やかでのびやかな空気感を表す四字熟語だ。
文学的な解釈をすれば、春の訪れと共に自然が目覚め、全てが優しく包まれる様子を指す。『銀河鉄道の夜』で宮沢賢治が描いた、星々のきらめきと共に吹く宇宙的な風のイメージにも通じる。アニメでは新緑の季節の転換期によく用いられ、キャラクターの心境の変化を暗示する演出として使われることが多い。
この表現の魅力は、単なる季節
描写を超えて、内面の解放感までを含んでいる点にある。例えば『風の谷のナウシカ』で腐海の外に吹く清らかな風が、物語の転換点で登場するように、春風駘蕩は物語に新局面をもたらす前触れとして機能する。