漫画やアニメの世界で『痴れ者』という表現が使われる時、大抵は特定のキャラクターの性格を強調するために使われている気がする。例えば『ONE PIECE』のサンジは女性に対して過剰なまでに
献身的で、鼻血を噴きながら倒れるシーンが頻繁にある。あれは明らかに『痴れ者』の典型だ。
でも、こうした描写は単なるギャグとしてだけではなく、キャラクターの深層心理を表していることもある。サンジの場合、幼少期のトラウマが女性への異常な執着に繋がっている。『痴れ者』という表現は、時に滑稽でありながらも、その裏にある悲しみや矛盾を浮き彫りにする強力なツールなんだ。
最近の作品では、『SPY×FAMILY』のロイドがアニヤのために必死になる姿も『痴れ者』的要素を含んでいる。父親としての愛情が時に滑稽なまでに強調されることで、キャラクターの魅力を引き立てている。