具体的なメカニズムとしては、ストレス時に活性化される交感神経系や視床下部―下垂体―副腎軸の影響で睡眠が断片化し、睡眠不足が蓄積するとREM睡眠の制御が不安定になります。睡眠不足や夜間覚醒が増えると、REM関連の筋抑制が覚醒状態に侵入しやすくなり、金縛りや幻覚を伴う体験が増えるのです。『Why We Sleep』のような一般向けの書籍でも、睡眠の質低下が精神的ストレスと相互に影響し合う点が強調されていて、研究の傾向と一致します。
精神的トラウマやPTSDとの関連も注目点です。トラウマを経験した人々は覚醒度が高く、悪夢や夜間覚醒が多くなるため、REM睡眠の破綻を介して金縛りが生じやすいという仮説が支持されています。僕が読んだ文献や事例報告では、心身両面の介入が有効だったケースが多く、その理屈付けに『The Body Keeps the Score』で述べられるような身体化されたストレスの概念が役に立ちました。