小泉八雲の怪談『耳なし芳一』は何度か映像化されていますが、特に印象的なのは1969年の『怪談』シリーズの一編として描かれた作品ですね。市川崑監督によるこのアンソロジー映画では、琵琶を弾く盲目の僧・芳一の運命が幽玄な映像美で表現されています。
最近では2010年に山本清史監督が『耳なし芳一 THE MUSICIAN』として現代風にアレンジしました。こちらは伝統的な物語の骨格を保ちつつ、音楽性を強調した実験作でした。ただし完全な劇場公開ではなく、映画祭限定の上映でした。
海外では1926年のサイレント映画『The Curse of the Crying Woman』が間接的な影響を受けたと言われますが、直接の翻案ではありません。日本文化に詳しい方なら、能楽の要素を取り入れた1977年の『芳一』という自主制作映画も興味深いでしょう。