光の当たり方で色味の印象がガラリと変わることがあるから、布選びは照明も想定して行う。花蘇芳の持つ色調は微妙なグラデーションやツヤ感がある場合が多いので、単に色合わせするだけでなく、布の織り目や光沢をチェックしておくと再現度が上がる。例えば同じ赤でも光を受けると
朱色寄りに見えたり深紅に見えたりするから、撮影やイベントの場を考えて素材を選ぶ。
肌の見せ方や下着の色も意外と重要で、透け感や襟元の開きに合わせて調整しないとバランスを崩す。私はいつもライティングを想像しながら生地を決め、必要ならサンプルを作って直射光と拡散光で確認する。こうしたひと手間で写真映えが格段に良くなるのを何度も見てきた。