江華島事件をめぐる学術的な参照書を探すと、まず総合的に信用されている評伝・通史系の本がよく挙がる。英語圏の入門的かつ学術的価値の高い書として、編集書の『Korea, Old and New: A History』は必読とされている。複数の専門家の寄稿を集めた構成で、江華島事件やその前後の外交的背景を概観するのに役立つからだ。次に、近代朝鮮の国際関係を広く扱った単行本としては『Korea's Place in the Sun: A Modern History』が学界で頻繁に引用される。事件の位置づけや列強・日本の視点に関する議論が整理されている点が評価されている。
外交史や条約史の文脈で参照される資料も重要だ。一次史料としては王朝期の公記・日記類が根幹になるため、'Joseon Wangjo Sillok'(『朝鮮王朝実録』)や'Seungjeongwon Ilgi'(承政院日記)の記述がしばしば引かれる。これらは当事者側(朝鮮王朝)の動きや公式応答を知るうえで不可欠な一次資料で、近年の研究書でも注釈つきで引用されることが多い。
最後に、公的アーカイブや編集資料として日本側の外交史料も学者が頼る典拠だ。たとえば日本の外務省史料(外務省外交史料)や当時の公刊資料からの翻刻・翻訳は、艦船側の行動や日本政府の外交方針を補強するために引用される。こうした英語の総説書、朝鮮側の一次史料、日本側の公文書を組み合わせて読むのが、学術的に信頼できる議論の基本線になっていると感じる。