私を盾にする家なんか、こっちから願い下げよ!神宮寺遥(じんぐうじ はるか)は3年間、神宮寺朔(じんぐうじ さく)を愛してきた。
朔のために自分を押し殺し、何でも受け入れることを学び、神宮寺家の古い掟や理不尽な扱いをすべて我慢してきた。
しかし、遥は知ってしまったのだ。
他の女の身代わりにするために、朔が自分を娶ったことを……
朔は義理の妹を守るために、一族が自分を侮辱するのだって黙認した。
遥のプライドと未来は、すべて朔の手で奪い去られたのだった。
だから、遥は朔に見切りをつけた。
離婚届を出し、屋敷を出た遥が、二度と振り返ることはなかった。
初めの頃、遥が家から出ていたことを朔は全く気にしていなかった。
いつものように機嫌を損ねているだけで、自分が少し甘やかしてやれば、遥はまたいつも通り戻ってくると思っていた。
しかし、しばらくすると、遥は生き生きと生活し、自分ではない他の男に微笑み、仲睦まじそうにしているのだった。自分を見てくれない遥を前に、朔はとうとう正気を失ってしまう。
朔はプライドを捨て、何がなんでも遥を取り戻そうとした。
しかし、遥にとってそれは滑稽極まりなかった。
今さら向けられる愛情など何の価値もない。朔には、報いを受けることだけが相応しいのだから。