過去を辿るなら、まずは一次資料に当たるのがいちばん確実だと感じる。僕は最初に『
三ツ橋回顧録』という短編集を手に取り、そこで描かれる幼少期や家族関係の断片から人物像が組み上がっていった経験がある。原作コミックの本編に散りばめられた回想や作者のあとがき、巻末のおまけエピソードも見逃せない。特に巻末コメントには制作当時の下書きや設定メモが混じっていることが多く、断片的な真実が集まって意外な輪郭を見せてくれる。
別に扱いが軽い資料が軽んじられるべきではない。公式の設定資料集やイラスト集に収録された年表、キャラ設定、作者インタビューは、時間軸や背景事情を整理するのに役立つ。僕はそれらを同時に参照して、矛盾点や補完すべき空白をメモしながら読み進めることで、三ツ橋の過去がより立体的に見えてきた。
最終的には二次的な解説や考察記事も取り入れる価値がある。信頼できる編集者や研究者のコラム、特典冊子の解説などは解釈の幅を広げてくれるからだ。読む順序は人それぞれだけれど、一次資料→公式解説→信頼できる二次資料、という流れを僕はおすすめしたい。