現代の映像作品にも影響を与えていて、たとえば『No Country for Old Men』で描かれる道徳的な崩壊や追跡の構図と、ニーチェの警句は響き合う部分があると感じる。出典についての研究や注釈を読むと、引用の変遷や訳者の解釈の差も含めて理解が深まる。総じて、最初にこの思想を表現した人物はニーチェであるという結論に落ち着く。
僕が初めてこのフレーズの出典を調べたとき、行き着いたのはフリードリヒ・ニーチェだった。正確には彼の著作『Beyond Good and Evil』にある一節で、原文はドイツ語で書かれている。英訳や日本語訳で表現が少しずつ変わるため、引用が独り歩きして誤解されることが多いが、本意は「対峙する対象に己が影響される危険」を警告するものだ。