タイトル『誰が為に鐘は鳴る』には深い象徴性が込められています。ヘミングウェイがスペイン内戦を描いたこの小説では、鐘の音が死の予兆として繰り返し登場します。
主人公ロバート・ジョーダンが爆破任務に赴く中、鐘の音は個人の犠牲と集団の運命を結びつけるメタファーとなっています。特に終盤で敵の接近を告げる鐘が鳴るシーンは、『誰のため』という問いへの答えを浮かび上がらせます。
興味深いのは、原題の『For Whom the Bell Tolls』がジョン・ダンの説教から引用されている点。『誰かの死は人類全体の損失』という思想が、戦争の不条理と繋がっているのです。