正体を隠す私はクズ夫を破滅させる上条蓮(かみじょう れん)が、あの双子を本宅に連れ帰ったのはこれで三度目だ。階下からは甘ったるい笑い声と、シャンパンの栓を抜く軽快な音が聞こえてくる。
「蓮さん、奥様怒らないのね?」
「あのババアのことなんて気にするな。興醒めだ」
スマホが震え、双子から挑発的なベッド写真が送られてくる。どれも目に毒なポーズばかりだ。
今回、私は階下に駆け降りて大暴れすることはしなかった。ただ静かに写真を削除しただけだ。
執事が私の荷造りを見て、怯えた声で尋ねた。
「奥様、今回は我慢しておきましょう。旦那様もただの火遊びかと……」
私は首を横に振り、署名済みの離婚届を枕元に置いた。
もう騒がない。二度と。この三年にわたる「貧困救済ごっこ」は、もう遊び飽きた。