ふと策略と倫理の境界を眺めてみると、
面従腹背の主人公が作品を通じて育むものは単なる「計略」や「嘘の技術」ではないと感じる。
外向きには従順を装いながら内側で反旗を翻す人物は、まず状況把握と長期的視点を磨いていく。たとえば『コードギアス 反逆のルルーシュ』のように、表情の裏にある目的意識や優先順位を厳密に整えることで、混乱や裏切りが横行する世界で生き残る術を獲得していく。
さらに重要なのは、他者の感情や信頼の扱い方だ。欺くことで築いた関係をどう保つか、いつ真実を出すかを学ぶうちに、主人公は倫理的判断力や自己犠牲の覚悟、そして時には自分自身のアイデンティティを再定義する力を得る。結局のところ、面従腹背は単なるテクニックではなく、人間関係の複雑さと責任を学ぶ過程でもある。